The previous night of the world revolution7~P.D.~

僕とルヴィアさんの着替えは、すぐに終わった。

「どうです?似合いますか?」

「は…。…はい」

何で、今ちょっと言い淀んだんですか?

そこは即答してくれても良かったんですよ。

「その…水着は…」

「はい」

「もしかして、あれですか…。ルレイアさんの…」

「えぇ。ルレイア師匠が経営しているゴスロリショップで買った、オーダーメイド水着です」

「…ですよね…」

水着に気合いを入れるのは、男も女も同じ。

折角なら良いものを買おうと思って、ルレイア師匠のお店に行ってみた。

ルレイア師匠自身も、そのお店で水着を作ってもらったって話だったし。

特注のゴスロリ水着、サングラス、ビーチサンダル。

指にはマニキュア、足の爪にもペディキュア。

色は、勿論全て黒一色である。

日焼け止めをたっぷり塗って、準備万端。

「…凄い格好だ…」

たじろいだ様子で、ルヴィアさんが呟いていた。

「…?何か言いました?」

「あ、いや何でもないです…」

「しかし、ルヴィアさんの水着は普通ですね。あまり面白みがないです」

「…」

「こんなことなら、ルヴィアさんの分もオーダーメイドで作っておくべきでしたね」

「…俺は…水着に面白みは求めませんから…」

そうですか。それは残念だ。

水着にこだわりがないんですかね。変わってるなぁルヴィアさんは。

…で、それよりも。

「早く出てきませんかね、女性陣」

先に着替えた僕とルヴィアさんは、更衣室の出口で女性陣が出てくるのを待っていた。

「そうですね…。女性は、着替えるのに時間がかかるって言いますから…」

「見に行きたいですよね」

「…俺は見たくないですけどね」

そうですか。

変わってるなぁルヴィアさんは。

「…楽しみだと思いません?」

「え?」

「漫画やエロ本だと、あるあるの展開じゃないですか」

「…??」

ほら、彼氏や彼女が着替えて出てくるのを、ドキドキしながら待つ…っていう。

あの展開。

「お、お待たせ」

「大丈夫だよ…。…はっ」

「どうかな?」

「う、うん…。似合ってるよ…」

…的なアレ。

うん。実に王道。

身近にこんなやり取りしてる奴がいたら、拳骨食らわせてやりたいですけどね。

やってみる分には、楽しいかもしれない。

「あまりに美味しそうだったら、その場で襲いたくなりますからね。あまりに似合い過ぎるのも考え物ですよね」

「…そうですね…」

…ルヴィアさん。何で僕から目を逸らすんですか?

眩しい?何か眩しいですか?

ルレイア師匠なら、きっと今の僕の気持ちをよく分かってくれることだろう。

何せ、僕の師匠ですから。

ルヴィアさんとは、あまり趣味が合わないのかもしれない。

…すると。

「お待たせ〜ルーチェス君」

「ルヴィアさん、お待たせしました」

待望の女性陣が、着替えを終えて更衣室を出てきた。