「許可を出してくれますね、セルテリシアさん」

「…」

セルテリシアは青ざめた顔で俯いていた。

今度はアシュトーリアさんのときのように、「こっそり生かしてください」とは言えないぞ。

何せ、暗殺を実行するのは、目の前にいる俺なんだからな。

それに、アシュトーリアさんに続いて、アイズの暗殺までし損なうようなことがあれば。

何かおかしいのではないかと、お前の側近二人にバレるだろうからな。

同じ手口は二度も通用しないんですよ。

お前も覚悟を決めるときが来た、ってことだな。

「…セルテリシアさん。覚悟をお決めください」

「…分かり、ました」

相変わらず青ざめた顔だったが、セルテリシアは確かに頷いた。

ほう。

聞き分けは良いみたいですね。

「許可、します…。アイズレンシアさんを暗殺…してください」

「畏まりました」

話は決まりましたね。

…そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

ここまでの計画、全部ペテンですから。