何の用だ。お人形のリーダーが。

「ほ、本気なんですか?アイズレンシアさんを暗殺するなんて…」

セルテリシアは、本当は『青薔薇連合会』の首領になんてなりたくないんだっけ。

次期首領候補筆頭であるアイズがいなくなれば、自分が『青薔薇連合会』の首領に任命される可能性が濃厚プリンですからね。

アイズにいなくなられたら困るんだろう。

「何か問題がありますか?」

「で、でも…彼は…アイズレンシアさんは、あなた方の元の仲間ではありませんか」

何を言ってるんだ。

昔の仲間だから、殺すのは忍びないですってか?

そんな生易しい覚悟でマフィアをやってるとでも?

大体俺達は、パフォーマンスの為とはいえ、既にルリシヤを撃ってるんだぞ。

その時点で、かつての仲間を手に掛ける覚悟は出来ている。

「それが何か?」

俺はわざとらしく、怪訝な顔をしてセルテリシアに問い返した。

セルテリシアは言葉を失っていた。

そして、ようやく絞り出した言葉は。

「あ…暗殺ではなく、話し合いで解決を…」

甘ちゃんめ。

あのルアリスだって、憲兵局と話し合いで問題を解決するのは断念して、武器を手にしたというのに。

話し合っても解決しない問題ってのは、確かにこの世にあるんですよ。

ぶん殴って解決した方が、余程手っ取り早いというもの。

「『ブルーローズ・ユニオン』がアシュトーリアさんを暗殺しようとしたことは、既に彼らも知るところでしょう。組織の頭を狙った相手と、快く話し合いに応じてくれるとでも?」

「そ、それは…」

先に手を出したのは、『ブルーローズ・ユニオン』の方なんですよ。

先に殴りかかった以上、こちらから「話し合いませんか?」は虫が良過ぎるだろう。

話し合うつもりがあるなら、手を出す前にやるべきだったな。

時既に遅しだ。馬鹿め。

止めたいのなら、アシュトーリアさん暗殺を止めるべきだったな。

もう後戻り出来ないところまで来てるんだよ。

だったら、向かう先が破滅であっても、ゴールに向かって走り続けるしかない。

足を止めれば、そこでおしまいだ。