The previous night of the world revolution7~P.D.~

―――――――…ルレイア師匠達は、『青薔薇連合会』所有の海水浴場で、貸し切り状態で海水浴を楽しんでいるそうだが。

僕とセカイさん、そしてルヴィアさんとフューニャさんのクランチェスカ夫妻がやって来たのは。

「結構、人多いんですね」

「今は海水浴のシーズンだからねー」

一般市民にも開放されている、公共の海水浴場である。

僕達も、貸し切りで行っても良かったのだけど…。

折角だから、庶民的な海水浴を楽しんでみたくて。

貸し切りの海水浴なら、皇太子時代に経験があるから、余計に。

それにしても、人が多い。

男も女も、水着姿でうろうろしている。

しかし、冷静に考えたら凄い光景ですよね。

誰もが下着姿も同然の格好で、当たり前のように人前を歩いているんだから。

下着姿は恥じる癖に、水着姿は恥じないどころか、刮目せよとばかりに堂々と見せているのだから。

人間って不思議な生き物だよなぁ。

まぁ僕にとっては眼福と言いますか。

いつまで見てても飽きないですよね。

「あ、ルーチェス君!さては君、今えっちなこと考えてるでしょ?」

ぎくっ。

さすがセカイさん。僕のことよく分かってますね。

「えっちなことは考えてませんよ。…ちょっと眼福だなぁと思ってただけです」

「ほーら、えっちじゃないか〜。もールーチェス君ったら、すーぐえっちなこと考える〜」

済みません。思春期なのかもしれません。

「よそのお姉さんやお兄さんの水着姿も良いけど、私の水着姿もちゃんと見てよ?」

「勿論ですよ。舐め回すように見ますよ」

「よろしい!」

セカイさんの水着姿…。

…うん、美味しそうだ。

「じゃ、私はフューニャちゃんと、向こうの女子更衣室で着替えてくるね」

「分かりました。じゃあ僕達も着替えましょうか、ルヴィアさん」

「は、はい」

そんなに緊張しなくても良いですよ。

今の僕は、友人としてルヴィアさんと海水浴に来てるんだから。

お互い着替え終わったら、更衣室の出口で落ち合うことに決めて。

僕とルヴィアさんは、女性陣と分かれて男子更衣室に向かった。

「男子更衣室も良いですけど、やっぱり女子更衣室の方が良いですよね」

と、僕は何の気なしにルヴィアさんに言ってみたら。

ルヴィアさんは、まるでドン引きしたみたいな顔で尋ね返してきた。

「…何がですか?」

「え?」

「…」

「…」

お互い、数秒無言で見つめ合う。

…どうやらルヴィアさんとは、あまり趣味が合いそうにないようだ。

残念ですよ。

僕が女子だったら、喜んで女子更衣室に貼り付くのになぁ…。

「…じゃ、着替えましょうか」

「…そうですね」

仕方ないから、ここは男子更衣室で我慢しよう。

世の中、妥協することも大切である。