The previous night of the world revolution7~P.D.~

あの側近二人は、あくまで忠誠心故に行動している。

良い意味でも悪い意味でも、組織にもセルテリシアにも忠実なのだ。

従って、彼らの不忠を咎めて『ブルーローズ・ユニオン』から追い出すことは出来ない。

むしろ、誰よりも『ブルーローズ・ユニオン』のことを大切に考えているくらいなのだから。

いやはや。『ブルーローズ・ユニオン』も大概、盤石な組織ですね。

さすが『青薔薇連合会』最大の系列組織だ。

「彼らがいなかったら、今日の『ブルーローズ・ユニオン』はなかったでしょう」

そうだと思いますよ。

あなた一人だったら、とても一つの組織の代表なんて務められなかったでしょう。

本人が言う通り、リーダーの器じゃありませんから。

「…失礼ながら、あのお二人…エペルさんとミミニアさんは、何者なんですか?元々は何をされていた方ですか?」

セルテリシアの側近二人。あの二人は、一体何処から降って湧いた人間なのか。

まずはそこから探りを入れて行こうと思う。

ルルシーさんやアイズ総長のことを、「貧民街上がり」と揶揄していたところを見るに。

エペルもミミニアも、相当「高貴な」お生まれなんでしょうね。

何だろう。ベルガモット王室とか?

あんな従兄弟がいた記憶はありませんけど。

「二人共、長年『ブルーローズ・ユニオン』で幹部を務めていた家柄の生まれなんです」

というセルテリシアの説明で、納得が行った。

成程、あいつらも親の七光りなんだ。

「彼らのご両親は、長い間『ブルーローズ・ユニオン』に力を貸してくれました。彼らの祖父母もそうです」

「…『ブルーローズ・ユニオン』は、リーダーのみならず、幹部クラスも世襲制なんですね」

「はい。実力があれば、あなた方のように幹部に認められる例もありますが…」

基本的には、親から引き継いだ役職ということか。

本当に…貴族や王族制度みたいだな。

親が偉かったら子供も偉いなんて、そういう時代錯誤な考え方はどうかと思いますよ、僕は。

特に、僕はその時代錯誤な考え方が嫌で、王室を抜け出してきたクチなんでね。