The previous night of the world revolution7~P.D.~

「リーダーとしての素質もないのに、私がサナリ派の代表でいられるのは、彼らが私を支えてくれているからなんです」

それはよく分かりました。

自覚があるようで何より。

「あなたは言いなりになってるんですか。エペルさんとミミニアさんの…」

「…そう、なのかもしれません。でも二人は…私の為を思って…そして何より、組織のことを思ってくれています」

だから、例え言いなりでも構わないと。

実際、セルテリシアがリーダーになって、そのバックでエペルとミミニアが摂政を務め。

その体制で、『ブルーローズ・ユニオン』はこれまで何の問題もなくやって来た。

エペルとミミニアは確かに、『ブルーローズ・ユニオン』の実権を握っている。

が、肝要なのは、あの側近二人には支配欲や野心がないというところだ。

我が物顔で『ブルーローズ・ユニオン』を仕切ってはいるものの。

あの二人は、セルテリシアを操り人形にして自分達が利得を得ようとか、組織を支配しようとかいう欲はない。

ただ純粋に、『ブルーローズ・ユニオン』という組織を、そしてサナリ派を支える為に行動している。

サナリ・リバニーの血を継ぐセルテリシアのことも、心から敬愛して仕えている。

セルテリシアを傀儡にして、自分が組織を支配するつもりはない。

これが厄介なんですよね。

いっそエペルとミミニアの二人が、セルテリシアを蹴落として自分達が組織のリーダーに成り代わってやろう…とか。

そんな分かりやすい野望があれば、それを逆手に取ってエペルとミミニア両名を放逐出来るのだが。

残念ながら、その作戦は諦めざるを得ないようだ。

まぁ、そう簡単に上手くは行きませんよね。さすがに…。