いやはや、今になって思えば、僕は皇太子で良かったかもしれない。
うっかりリバニー家の血縁者として生まれてしまったら、望まずにサナリ派のリーダーにされるところだった。
皇太子でさえあんなに面倒だったのに、サナリ派のリーダーなんてもっと面倒に違いないですよ。
色んな規則やら面子やらに束縛されちゃって。
息苦しいにも程がある。
組織の頭なんて、そうそうなるもんじゃないな。
「はい…。皆さんが私に期待してくれるのは光栄なことだと思います。そんな皆さんの期待に…応えられるものならそうしたいと思っています」
あなた、本当に律儀で真面目で、良い人ですね。
僕だったら、「そんなもん知るか!」とやっぱり好き勝手しそうな気がしますけど。
「だけど…私はとても…一人では『ブルーローズ・ユニオン』の代表さえ務まらない。『青薔薇連合会』の首領なんてとんでもない。考えるだけで足が竦む思いなんです」
それは本当に、リーダーには向いてないですね。
そして、リーダーがそのような弱みを見せれば、あっという間に他組織に付け込まれる。
「私が今『ブルーローズ・ユニオン』の代表をかろうじて務めているのは、全てエペルとミミニアが私を支えてくれているからです」
「彼らが摂政を務めてくれてるんですね?」
「はい。先代の『ブルーローズ・ユニオン』代表が亡くなった後、まだリーダーに就くには幼かった私の為に…」
成程。
『ブルーローズ・ユニオン』の代表、ひいてはサナリ派の代表はセルテリシアとされているが。
その実、実権を握っているのはあの側近二人、エペルとミミニアなのだと分かってはいたが…。
セルテリシア自身も、その自覚はあったらしい。
自分が所詮、お飾りのリーダーであると。
つくづく…自分の身の程をよく分かっている。
セルテリシアがリーダーに相応しくない器なのは確かだが、それだけは評価に値する。
うっかりリバニー家の血縁者として生まれてしまったら、望まずにサナリ派のリーダーにされるところだった。
皇太子でさえあんなに面倒だったのに、サナリ派のリーダーなんてもっと面倒に違いないですよ。
色んな規則やら面子やらに束縛されちゃって。
息苦しいにも程がある。
組織の頭なんて、そうそうなるもんじゃないな。
「はい…。皆さんが私に期待してくれるのは光栄なことだと思います。そんな皆さんの期待に…応えられるものならそうしたいと思っています」
あなた、本当に律儀で真面目で、良い人ですね。
僕だったら、「そんなもん知るか!」とやっぱり好き勝手しそうな気がしますけど。
「だけど…私はとても…一人では『ブルーローズ・ユニオン』の代表さえ務まらない。『青薔薇連合会』の首領なんてとんでもない。考えるだけで足が竦む思いなんです」
それは本当に、リーダーには向いてないですね。
そして、リーダーがそのような弱みを見せれば、あっという間に他組織に付け込まれる。
「私が今『ブルーローズ・ユニオン』の代表をかろうじて務めているのは、全てエペルとミミニアが私を支えてくれているからです」
「彼らが摂政を務めてくれてるんですね?」
「はい。先代の『ブルーローズ・ユニオン』代表が亡くなった後、まだリーダーに就くには幼かった私の為に…」
成程。
『ブルーローズ・ユニオン』の代表、ひいてはサナリ派の代表はセルテリシアとされているが。
その実、実権を握っているのはあの側近二人、エペルとミミニアなのだと分かってはいたが…。
セルテリシア自身も、その自覚はあったらしい。
自分が所詮、お飾りのリーダーであると。
つくづく…自分の身の程をよく分かっている。
セルテリシアがリーダーに相応しくない器なのは確かだが、それだけは評価に値する。


