ここまで「懐柔」出来れば、あとは勝手にセルテリシアが喋ってくれる。
「大叔父様がどれほど立派な方だったかを、知れば知るほど…サナリ派の皆さんに期待されればされるほど…私は心が苦しくなるのです」
よしよし、良い調子。
その調子で、どんどん本音を喋ってくださいね。
「私は、旧『青薔薇連合会』派…サナリ派の代表として、皆を力強く率いるように期待されています」
「えぇ、そうですね」
「だけど私は…私には、大叔父様のような力はない。器ではないんです。立派な指導者だったのは大叔父様であって、私ではない。いくら血縁者でも…私と大叔父様は、別の人間ですから…」
「えぇ。分かりますよ」
僕は適当に、それっぽく相槌を打ってセルテリシアを促した。
え?詐欺師みたいなやり口だって?
それは褒め言葉だと思っておきますね。
「でも…リバニーの家の血を継ぐ者は、私の他にいません。だからサナリ派は、私を担ぐしかなくて…」
「そうだったんですね」
「望まずに『ブルーローズ・ユニオン』の代表になってしまったんです。そんな器ではないのに…」
「分かりますよ。本人の意志ではなく、『正しい』血を継いでいるかが肝心なんですよね」
ベルガモット王家と一緒だな。
王家の血筋であれば、本人の意志は関係なく、王族として相応しい振る舞いを要求される。
僕も、そのしがらみにほとほとうんざりして、家出したクチですから。
気持ちはよく分かりますよ。
ただし、僕とセルテリシアで違うところがあるとしたら。
僕の場合は家出しようがマフィアに入ろうが、自分の問題だけで済んだけれど。
セルテリシアの場合、彼女の後ろには『ブルーローズ・ユニオン』という組織がある。
更に『ブルーローズ・ユニオン』の後ろには、数多くのサナリ派の組織が控えているのだ。
彼女の両肩には、それらの組織に所属する全ての構成員の期待が乗っているのだ。
僕のように好き勝手には出来ない。
実に気の毒ですね。
「大叔父様がどれほど立派な方だったかを、知れば知るほど…サナリ派の皆さんに期待されればされるほど…私は心が苦しくなるのです」
よしよし、良い調子。
その調子で、どんどん本音を喋ってくださいね。
「私は、旧『青薔薇連合会』派…サナリ派の代表として、皆を力強く率いるように期待されています」
「えぇ、そうですね」
「だけど私は…私には、大叔父様のような力はない。器ではないんです。立派な指導者だったのは大叔父様であって、私ではない。いくら血縁者でも…私と大叔父様は、別の人間ですから…」
「えぇ。分かりますよ」
僕は適当に、それっぽく相槌を打ってセルテリシアを促した。
え?詐欺師みたいなやり口だって?
それは褒め言葉だと思っておきますね。
「でも…リバニーの家の血を継ぐ者は、私の他にいません。だからサナリ派は、私を担ぐしかなくて…」
「そうだったんですね」
「望まずに『ブルーローズ・ユニオン』の代表になってしまったんです。そんな器ではないのに…」
「分かりますよ。本人の意志ではなく、『正しい』血を継いでいるかが肝心なんですよね」
ベルガモット王家と一緒だな。
王家の血筋であれば、本人の意志は関係なく、王族として相応しい振る舞いを要求される。
僕も、そのしがらみにほとほとうんざりして、家出したクチですから。
気持ちはよく分かりますよ。
ただし、僕とセルテリシアで違うところがあるとしたら。
僕の場合は家出しようがマフィアに入ろうが、自分の問題だけで済んだけれど。
セルテリシアの場合、彼女の後ろには『ブルーローズ・ユニオン』という組織がある。
更に『ブルーローズ・ユニオン』の後ろには、数多くのサナリ派の組織が控えているのだ。
彼女の両肩には、それらの組織に所属する全ての構成員の期待が乗っているのだ。
僕のように好き勝手には出来ない。
実に気の毒ですね。


