これは期待出来そうだ。
「あなたも辛い思いをしてるんですよね。…組織のリーダーとして、常に毅然であらなければならないと…」
「…はい、そうです」
素直に認めた。
今僕は、セルテリシアの心の奥に触れているらしい。
「最初に『青薔薇連合会』に、アイズさんに会いに来たときは、随分と偉そうと言いますか…堂々としていたように見えたんですが」
散々煽ってきてましたよね、あなた。
お陰で、初対面の印は最悪だった。
意地の悪い女だと思わせておいて、しかし蓋を開けてみて出てきたのは。
傲岸不遜とは程遠い、おどおどと周りの顔を伺う少女だった。
「あれは…エペルとミミニアに、そのように振る舞うように言われて…」
台本が用意されてたんですか。こう言うように、って。
「アイズレンシアさんに舐められないように、不遜な態度で臨むように、と…」
「確かに、あのときの印象は最悪でしたね。クソ生意気な小娘って感じで…」
おっと、つい本音が。
逆ギレされてもおかしくないところだったが、セルテリシアは少しも気を悪くした様子はなく。
むしろ、申し訳無さそうに目を伏せていた。
成程、クソ生意気な小娘を演じた自覚はあるらしい。
これがセルテリシアの素の姿か。
エペルとミミニアが付きっきりなのも理解出来る。
誰かが手綱を握ってやらないと、彼女はおよそ、マフィアのリーダーに相応しい気質ではない。
懐は広いのだが、そもそも他人にあれこれ、不遜な態度で命令するタチではないのだ。
「アイズレンシアさんには…失礼なことをしてしまったと思っています。…それに…アシュトーリアさんにも…」
と、セルテリシアは消え入りそうな声で言った。
「…ちなみに聞いておきますけど、アシュトーリアさんの暗殺を目論んだのは…」
「えぇ、あれは『ブルーローズ・ユニオン』の仕業です」
まぁ、知ってましたけど。
やはり本人の口から聞きたかった。
「…提案したのはセルテリシアさんですか?」
「いいえ。実行の許可を下したのは私です。しかし…彼女の暗殺を最初に提案したのは…エペルです」
またか。
側近二人の名前ばかりが出てくる。
「あなたも辛い思いをしてるんですよね。…組織のリーダーとして、常に毅然であらなければならないと…」
「…はい、そうです」
素直に認めた。
今僕は、セルテリシアの心の奥に触れているらしい。
「最初に『青薔薇連合会』に、アイズさんに会いに来たときは、随分と偉そうと言いますか…堂々としていたように見えたんですが」
散々煽ってきてましたよね、あなた。
お陰で、初対面の印は最悪だった。
意地の悪い女だと思わせておいて、しかし蓋を開けてみて出てきたのは。
傲岸不遜とは程遠い、おどおどと周りの顔を伺う少女だった。
「あれは…エペルとミミニアに、そのように振る舞うように言われて…」
台本が用意されてたんですか。こう言うように、って。
「アイズレンシアさんに舐められないように、不遜な態度で臨むように、と…」
「確かに、あのときの印象は最悪でしたね。クソ生意気な小娘って感じで…」
おっと、つい本音が。
逆ギレされてもおかしくないところだったが、セルテリシアは少しも気を悪くした様子はなく。
むしろ、申し訳無さそうに目を伏せていた。
成程、クソ生意気な小娘を演じた自覚はあるらしい。
これがセルテリシアの素の姿か。
エペルとミミニアが付きっきりなのも理解出来る。
誰かが手綱を握ってやらないと、彼女はおよそ、マフィアのリーダーに相応しい気質ではない。
懐は広いのだが、そもそも他人にあれこれ、不遜な態度で命令するタチではないのだ。
「アイズレンシアさんには…失礼なことをしてしまったと思っています。…それに…アシュトーリアさんにも…」
と、セルテリシアは消え入りそうな声で言った。
「…ちなみに聞いておきますけど、アシュトーリアさんの暗殺を目論んだのは…」
「えぇ、あれは『ブルーローズ・ユニオン』の仕業です」
まぁ、知ってましたけど。
やはり本人の口から聞きたかった。
「…提案したのはセルテリシアさんですか?」
「いいえ。実行の許可を下したのは私です。しかし…彼女の暗殺を最初に提案したのは…エペルです」
またか。
側近二人の名前ばかりが出てくる。


