「…あの、ルーチェスさん」
「はい、何ですか」
「失礼なことを聞いてしまうのですが…その、あなたは昔…」
随分と態度の低いリーダーですね。
そこは遠慮なく聞いて良いんですよ。あなたは今、僕の上司なんですから。
「良いですよ、どうぞ何でも聞いてください」
セルテリシアに腹を割り、信用を得る絶好の機会。
これを無駄にする手はない。
「その、あなたは以前…『青薔薇連合会』に来る前は、ベルガモット王家と関わりのある立場だったと小耳に挟んだのですが…あれは本当なのですか?」
聞かれるだろうと思っていたから、僕は驚かなかった。
僕が『青薔薇連合会』に来る前、ベルガモット王家の皇太子だったことは、『青薔薇連合会』の幹部クラスしか知らない。
例外として、準幹部のルヴィアさんと華弦さんも知ってますが。
それ以外の者は、僕の「前職」について知らされていない。
ルレイア師匠もそうですよね。彼の「前職」を知っている者は、組織の中でもごく僅かだ。
余計な勘繰りや先入観を持たれたら、お互いやりづらいだろうから。
『青薔薇連合会』の中でも、知っている人は限られるのに。
ましてや、『ブルーローズ・ユニオン』に知られているはずがない。
しかし、何処からか情報の一部が漏れていたらしいな。
ベルガモット王家の関係者…か。
関係者どころか、ガッツリ当事者でしたが。
「えぇと…その、答えたくないことなら無理には…」
「いえ、大丈夫ですよ」
本音を言えば、あまり吹聴して回りたくはない。
自分がベルガモット王家の皇太子だったことは、僕にとっては忘れたい過去だから。
でも…今はその過去が、セルテリシアを心を絆すのに必要なのだ。
利用しない手はない。
「はい、何ですか」
「失礼なことを聞いてしまうのですが…その、あなたは昔…」
随分と態度の低いリーダーですね。
そこは遠慮なく聞いて良いんですよ。あなたは今、僕の上司なんですから。
「良いですよ、どうぞ何でも聞いてください」
セルテリシアに腹を割り、信用を得る絶好の機会。
これを無駄にする手はない。
「その、あなたは以前…『青薔薇連合会』に来る前は、ベルガモット王家と関わりのある立場だったと小耳に挟んだのですが…あれは本当なのですか?」
聞かれるだろうと思っていたから、僕は驚かなかった。
僕が『青薔薇連合会』に来る前、ベルガモット王家の皇太子だったことは、『青薔薇連合会』の幹部クラスしか知らない。
例外として、準幹部のルヴィアさんと華弦さんも知ってますが。
それ以外の者は、僕の「前職」について知らされていない。
ルレイア師匠もそうですよね。彼の「前職」を知っている者は、組織の中でもごく僅かだ。
余計な勘繰りや先入観を持たれたら、お互いやりづらいだろうから。
『青薔薇連合会』の中でも、知っている人は限られるのに。
ましてや、『ブルーローズ・ユニオン』に知られているはずがない。
しかし、何処からか情報の一部が漏れていたらしいな。
ベルガモット王家の関係者…か。
関係者どころか、ガッツリ当事者でしたが。
「えぇと…その、答えたくないことなら無理には…」
「いえ、大丈夫ですよ」
本音を言えば、あまり吹聴して回りたくはない。
自分がベルガモット王家の皇太子だったことは、僕にとっては忘れたい過去だから。
でも…今はその過去が、セルテリシアを心を絆すのに必要なのだ。
利用しない手はない。


