…40分後。
我が家の食卓には、家庭料理と呼ぶには豪勢なメニューの数々が並んでいた。
壮観。
餃子だけで、こんなに種類があるとは…。
しかも、包み方がまたお洒落。
普通の包み方だけじゃなくて、風車みたいな形や、薔薇の形の餃子まである。
あれ、本当に餃子か?
こんなお洒落な包み方があるとは…。
これもルーチェスさん作なんだろうか?凄いな…。
…おまけに。
「はい、ルヴィアさん。餃子のタレをどうぞ」
「あっ、はい。どうも」
『青薔薇連合会』の裏幹部に、餃子のタレを取ってもらうとは。
あまりに畏れ多くて、餃子の味を楽しむどころじゃない。
「色々ありますよ。どれにします?」
「えっ?」
「こっちがノーマル、こっちはラー油増し、こちらは柚子胡椒味、イタリアン風もあります」
ルーチェスさんはお手製の餃子のタレを、次々と持ってきてくれた。
そんなに種類が。
何でも本格的だよな、ルーチェスさん…。手を抜くことがないって言うか…。
「さっぱり食べたいなら、おろしポン酢タレもありますよ」
「…ありがとうございます。どれでも結構です…」
「そうですか。じゃあ僕のおすすめの、イタリアン風タレをどうぞ」
恐縮です。
早速ルーチェスさんの餃子を、ルーチェスさんの餃子のタレで食べてみることにした。
…うん。
「どうですか?味は」
「…凄い美味しいです」
何だろう。普通の餃子とは全く違う味。
でも、それが凄く美味しいのである。
餃子じゃないみたいだな。
意外とあっさりしていて、いくらでも食べられるって言うか…。
普通の、キャベツとひき肉の餃子も美味しいけど。
たまにはこういう、変わり種の餃子もアリかもしれない。
「ん〜!美味しい!さすがルーチェス君だ〜」
「ありがとうございます」
セカイさんも、満面笑みで餃子にぱくついていた。
料理上手な旦那さんを持って、セカイさんは幸せだろうな。
しかしそれを言うなら、俺も…。
…と、思ったら。
「…」
「…はっ…」
ルーチェスさん作の餃子ばかりを食べていた俺を、フューニャがじーっと睨むように見ていた。
とんでもない。
俺は慌てて、フューニャ作のノーマル餃子を口に入れた。
フューニャ作の餃子は生姜が効いていて、キャベツたっぷりで、いくらでも食べられる味だった。
そして何より、フューニャの料理は。
実家のような安心感と言うか…舌に馴染む味である。
あぁ、帰ってくるべきところに帰ってきたなぁ、という味。
分かるだろうか。この感覚。
外食も良いけど、やっぱり実家で食べる味噌汁が一番美味しい、みたいな。
フューニャの料理は、そういう味である。
「美味しいよ、フューニャ。いつも通り」
ほっこりしながら、俺はフューニャ作の餃子を食べた。
偽らざる本音である。
「…本当ですか?」
「勿論。俺にとって、フューニャのご飯以上に美味しいものはないよ」
「…そうですか」
この褒め言葉で、機嫌を直したらしいフューニャは。
安心したのかホッとしたのか、フューニャも餃子を食べ始めた。
我が家の食卓には、家庭料理と呼ぶには豪勢なメニューの数々が並んでいた。
壮観。
餃子だけで、こんなに種類があるとは…。
しかも、包み方がまたお洒落。
普通の包み方だけじゃなくて、風車みたいな形や、薔薇の形の餃子まである。
あれ、本当に餃子か?
こんなお洒落な包み方があるとは…。
これもルーチェスさん作なんだろうか?凄いな…。
…おまけに。
「はい、ルヴィアさん。餃子のタレをどうぞ」
「あっ、はい。どうも」
『青薔薇連合会』の裏幹部に、餃子のタレを取ってもらうとは。
あまりに畏れ多くて、餃子の味を楽しむどころじゃない。
「色々ありますよ。どれにします?」
「えっ?」
「こっちがノーマル、こっちはラー油増し、こちらは柚子胡椒味、イタリアン風もあります」
ルーチェスさんはお手製の餃子のタレを、次々と持ってきてくれた。
そんなに種類が。
何でも本格的だよな、ルーチェスさん…。手を抜くことがないって言うか…。
「さっぱり食べたいなら、おろしポン酢タレもありますよ」
「…ありがとうございます。どれでも結構です…」
「そうですか。じゃあ僕のおすすめの、イタリアン風タレをどうぞ」
恐縮です。
早速ルーチェスさんの餃子を、ルーチェスさんの餃子のタレで食べてみることにした。
…うん。
「どうですか?味は」
「…凄い美味しいです」
何だろう。普通の餃子とは全く違う味。
でも、それが凄く美味しいのである。
餃子じゃないみたいだな。
意外とあっさりしていて、いくらでも食べられるって言うか…。
普通の、キャベツとひき肉の餃子も美味しいけど。
たまにはこういう、変わり種の餃子もアリかもしれない。
「ん〜!美味しい!さすがルーチェス君だ〜」
「ありがとうございます」
セカイさんも、満面笑みで餃子にぱくついていた。
料理上手な旦那さんを持って、セカイさんは幸せだろうな。
しかしそれを言うなら、俺も…。
…と、思ったら。
「…」
「…はっ…」
ルーチェスさん作の餃子ばかりを食べていた俺を、フューニャがじーっと睨むように見ていた。
とんでもない。
俺は慌てて、フューニャ作のノーマル餃子を口に入れた。
フューニャ作の餃子は生姜が効いていて、キャベツたっぷりで、いくらでも食べられる味だった。
そして何より、フューニャの料理は。
実家のような安心感と言うか…舌に馴染む味である。
あぁ、帰ってくるべきところに帰ってきたなぁ、という味。
分かるだろうか。この感覚。
外食も良いけど、やっぱり実家で食べる味噌汁が一番美味しい、みたいな。
フューニャの料理は、そういう味である。
「美味しいよ、フューニャ。いつも通り」
ほっこりしながら、俺はフューニャ作の餃子を食べた。
偽らざる本音である。
「…本当ですか?」
「勿論。俺にとって、フューニャのご飯以上に美味しいものはないよ」
「…そうですか」
この褒め言葉で、機嫌を直したらしいフューニャは。
安心したのかホッとしたのか、フューニャも餃子を食べ始めた。


