さて、掴みは完璧だ。
早速会話を広げていくとしよう。
「こう見えて僕も、かつてはそこそこ高貴な生まれだったもので、こういう庶民的なジュースやお菓子はお目にかかれなかったんです」
「そうなんですか?」
「えぇ。カップラーメンを初めて食べたのも、最近なんです」
思い出す、あのときの感動。
何故もっと早く食べなかったのか、後悔するほどだった。
「カップラーメンですか…。私は食べたことがありません」
案の定セルテリシアも、かつての僕と同じく「箱入り」だったらしい。
不思議なもんだ。
ベルガモット王家の皇太子と、『ブルーローズ・ユニオン』のリーダー。
全く正反対の立場だろうに、自由に口に入れるものを選ばせてもらえないという点においては、共通しているのだから。
「美味しいんですけどねぇ。今度食べてみると良いですよ」
「はい。でも…そういうものは何が入っているか分からないから駄目だと、ミミニアに叱られそうです」
厳しいことで。
生身の人間が作る料理の方が、調理過程で異物を混入される恐れが大きいと思うんですけど。
そういうことじゃないんでしょうね。レスリーがよく言ってましたけど。
高貴な生まれの人間には、それ相応の振る舞いをしなきゃならないんだそうですよ。
カップラーメンもコーラもポテトチップスも、下賤の食べ物だから駄目なんだそうです。
下らないですよね。
カップラーメンすら食べたことのない人間が、一般市民に好感を持たれるはずないじゃないですか。
「分かりますよ。僕も散々そう言って叱られましたから」
それでも僕はやんちゃな子だったので、抜け出してあれこれ食べてましたけどね。
ファミレスでハンバーグとか。
でもセルテリシアは、僕のように反抗することはないらしい。
大人しい「良い子」じゃないですか。
それで人生、楽しいんですかね?
早速会話を広げていくとしよう。
「こう見えて僕も、かつてはそこそこ高貴な生まれだったもので、こういう庶民的なジュースやお菓子はお目にかかれなかったんです」
「そうなんですか?」
「えぇ。カップラーメンを初めて食べたのも、最近なんです」
思い出す、あのときの感動。
何故もっと早く食べなかったのか、後悔するほどだった。
「カップラーメンですか…。私は食べたことがありません」
案の定セルテリシアも、かつての僕と同じく「箱入り」だったらしい。
不思議なもんだ。
ベルガモット王家の皇太子と、『ブルーローズ・ユニオン』のリーダー。
全く正反対の立場だろうに、自由に口に入れるものを選ばせてもらえないという点においては、共通しているのだから。
「美味しいんですけどねぇ。今度食べてみると良いですよ」
「はい。でも…そういうものは何が入っているか分からないから駄目だと、ミミニアに叱られそうです」
厳しいことで。
生身の人間が作る料理の方が、調理過程で異物を混入される恐れが大きいと思うんですけど。
そういうことじゃないんでしょうね。レスリーがよく言ってましたけど。
高貴な生まれの人間には、それ相応の振る舞いをしなきゃならないんだそうですよ。
カップラーメンもコーラもポテトチップスも、下賤の食べ物だから駄目なんだそうです。
下らないですよね。
カップラーメンすら食べたことのない人間が、一般市民に好感を持たれるはずないじゃないですか。
「分かりますよ。僕も散々そう言って叱られましたから」
それでも僕はやんちゃな子だったので、抜け出してあれこれ食べてましたけどね。
ファミレスでハンバーグとか。
でもセルテリシアは、僕のように反抗することはないらしい。
大人しい「良い子」じゃないですか。
それで人生、楽しいんですかね?


