…とはいえ。
「この方法も、あの二人に対して有効かどうかはまだ分かりません」
先程も言った通り、現状俺達が何をしても、エペルとミミニアにとっては「媚びを売っている」としか思われてないのだから。
せめて、食事くらいは共にする仲にならないと。
相手の心に触れるのも難しいですよ。
女を落とすのは得意なんですが、今回はそれが目的じゃありませんからね。
だから、もっと確実で、堅実な方法を取るべきだと思うのだが…。
「側近二人が落とせないなら、いっそその二人は諦めませんか?」
と、ルーチェスが言った。
さすがはルーチェス。今俺も、あなたと同じことを考えてましたよ。
「諦めるって…。諦めたら駄目だろ。エペルとミミニアは、『ブルーローズ・ユニオン』の権力者なんだろ?あいつらを懐柔しないことには…」
それはまぁ、そうなんですけど。
そう出来たら一番手っ取り早いというだけで、他に方法がない訳ではない。
「あれだけ頑なな相手に、下手に媚びを売っても、逆に顰蹙を買うだけでしょう」
「…そうだな」
「ならいっそ、エペルとミミニアにすり寄るのはやめましょう。少なくとも、しばらくの間は」
俺達はまだ『ブルーローズ・ユニオン』に転職したばかり。
一朝一夕でエペルとミミニアの信用を得るのは難しいだろう。
ならば、いっそ「今」エペルとミミニアの信用を得るのは諦める。
二人には勝手に警戒させておいて、俺達は素知らぬ振りをして…そして…。
「そして、もっと『話の分かる』相手と仲良くなった方が良いと思うんです」
エペルやミミニアと違って、まともに俺達の話を聞いてくれそうな相手とな。
「話の分かる相手って…誰だ?」
それはルルシー、決まってるじゃないですか。
「セルテリシアですよ」
「…!」
俺達を『ブルーローズ・ユニオン』に勧誘し、連れてきた張本人。
そして、我らがアイズレンシアと覇を競い、『青薔薇連合会』首領の座を目論む『ブルーローズ・ユニオン』の代表。
セルテリシア・リバニー。あの小娘。
エペルとミミニアは無理でも、あの女なら多少話が分かるはずだ。
「あの女を先に籠絡してしまいましょう」
「…出来るのか?」
少なくとも、側近二人よりは難易度低そうじゃないか?
「それに…いくらセルテリシアの信用を得ても、実質支配権を持ってる側近二人に信用されてないんじゃ意味が…」
「勿論です。でも、お飾りだとしても、セルテリシアは腐っても『ブルーローズ・ユニオン』の代表です。ある程度の権力はあります」
実際セルテリシアは、独断で俺達のもとにやって来て『ブルーローズ・ユニオン』に勧誘した。
あれは、側近二人に相談せずに決行したことだと言うじゃないか。
つまり、それくらいのことなら、セルテリシアの独断で決められるのだ。
権力の欠片も持ち合わせていない、全くお飾りのリーダーって訳じゃない。
なら、セルテリシアを味方につけておくメリットは充分ある。
「それに、組織のリーダーと仲良くしておくのは悪くないですよ。何かミスをしても、お目溢しをもらえるかもしれませんし」
「それはそうだが…でも、上手く行くのか…?」
「上手く行かせるんですよ。さっき言った方法でね。今こそ、俺の腕の見せ所…」
と、俺が言いかけたそのとき。
「ちょっとお待ち下さい」
すちゃっ、とルーチェスが片手を上げてそう言った。
…ん?
「この方法も、あの二人に対して有効かどうかはまだ分かりません」
先程も言った通り、現状俺達が何をしても、エペルとミミニアにとっては「媚びを売っている」としか思われてないのだから。
せめて、食事くらいは共にする仲にならないと。
相手の心に触れるのも難しいですよ。
女を落とすのは得意なんですが、今回はそれが目的じゃありませんからね。
だから、もっと確実で、堅実な方法を取るべきだと思うのだが…。
「側近二人が落とせないなら、いっそその二人は諦めませんか?」
と、ルーチェスが言った。
さすがはルーチェス。今俺も、あなたと同じことを考えてましたよ。
「諦めるって…。諦めたら駄目だろ。エペルとミミニアは、『ブルーローズ・ユニオン』の権力者なんだろ?あいつらを懐柔しないことには…」
それはまぁ、そうなんですけど。
そう出来たら一番手っ取り早いというだけで、他に方法がない訳ではない。
「あれだけ頑なな相手に、下手に媚びを売っても、逆に顰蹙を買うだけでしょう」
「…そうだな」
「ならいっそ、エペルとミミニアにすり寄るのはやめましょう。少なくとも、しばらくの間は」
俺達はまだ『ブルーローズ・ユニオン』に転職したばかり。
一朝一夕でエペルとミミニアの信用を得るのは難しいだろう。
ならば、いっそ「今」エペルとミミニアの信用を得るのは諦める。
二人には勝手に警戒させておいて、俺達は素知らぬ振りをして…そして…。
「そして、もっと『話の分かる』相手と仲良くなった方が良いと思うんです」
エペルやミミニアと違って、まともに俺達の話を聞いてくれそうな相手とな。
「話の分かる相手って…誰だ?」
それはルルシー、決まってるじゃないですか。
「セルテリシアですよ」
「…!」
俺達を『ブルーローズ・ユニオン』に勧誘し、連れてきた張本人。
そして、我らがアイズレンシアと覇を競い、『青薔薇連合会』首領の座を目論む『ブルーローズ・ユニオン』の代表。
セルテリシア・リバニー。あの小娘。
エペルとミミニアは無理でも、あの女なら多少話が分かるはずだ。
「あの女を先に籠絡してしまいましょう」
「…出来るのか?」
少なくとも、側近二人よりは難易度低そうじゃないか?
「それに…いくらセルテリシアの信用を得ても、実質支配権を持ってる側近二人に信用されてないんじゃ意味が…」
「勿論です。でも、お飾りだとしても、セルテリシアは腐っても『ブルーローズ・ユニオン』の代表です。ある程度の権力はあります」
実際セルテリシアは、独断で俺達のもとにやって来て『ブルーローズ・ユニオン』に勧誘した。
あれは、側近二人に相談せずに決行したことだと言うじゃないか。
つまり、それくらいのことなら、セルテリシアの独断で決められるのだ。
権力の欠片も持ち合わせていない、全くお飾りのリーダーって訳じゃない。
なら、セルテリシアを味方につけておくメリットは充分ある。
「それに、組織のリーダーと仲良くしておくのは悪くないですよ。何かミスをしても、お目溢しをもらえるかもしれませんし」
「それはそうだが…でも、上手く行くのか…?」
「上手く行かせるんですよ。さっき言った方法でね。今こそ、俺の腕の見せ所…」
と、俺が言いかけたそのとき。
「ちょっとお待ち下さい」
すちゃっ、とルーチェスが片手を上げてそう言った。
…ん?


