The previous night of the world revolution7~P.D.~

だって、ルリシヤはルレイアに撃たれたんでしょう?

あのルレイアだよ?

鎌を一振りして切り裂かれた…訳じゃないとはいえ。

あのルレイアが、目の前にいたルリシヤを拳銃で撃って、外すとでも?

ルレイアが撃ち損じるなんて、それは有り得ない。

万が一撃ち損じたとしても、外したならもう一発撃てば良いだけだ。

それなのに、何故そうしなかった?

何故ルリシヤは無事なんだ?

納得出来る答えは、一つだけ…。

「あぁ。それは俺が防弾チョッキを着ていたからだ」

と、ルリシヤが答えた。

「そうだと思ったよ」

「とはいえ、めちゃくちゃ痛かったぞ。青痣が出来てる」

ルレイアに撃たれて青痣で済んでるなら、それは僥倖だよ。

「防弾チョッキって…。でも…ルリシヤの服についてるその血は…?」

と、首を傾げるシュノ。

ルリシヤの着ているシャツに、赤い血が滲んでいた。

しかし。

「これはトマトケチャップだ」

あ、そうなんだ…。

「いざというときの為に忍ばせておいたんだ。撃たれた瞬間にトマトケチャップの袋を破いて、血が溢れたように見せた」

「マジかよ!ルリ公つえぇ!!」

本当だよ。

曲芸師みたいな芸当だね。

「そ、そうだったのね…!それで、ルレイアはそのトマトケチャップを血だと勘違いして…」

「ルレ公が意外と間抜けで助かったな」

シュノとアリューシャはそう言うけれど。

私は、違う仮説を立てている。

そうじゃないよね、きっと。

ルレイアは…そんなに間抜けじゃないよ。

「…ねぇ、ルリシヤ。一つ聞いて良いかな?」

「何だ、アイズ先輩」

これは私の希望的観測なのかもしれない。

ただそうであって欲しいと願っているだけなのかもしれない。

自分に都合の良いように、そう思い込みたいだけなのかもしれない。

だけど私は、どうしても…。

…信じたいのだ。

「君とルレイア達の『猿芝居』で、セルテリシアは騙せたかな?」

私がそう尋ねると。

ルリシヤは、仮面越しでも分かる笑みを浮かべた。

「…無論だ」

…そっか。

…それは…良かった。

「…猿芝居?猿芝居って?」

「どういうことだよ、アイ公?」

シュノとアリューシャは、私の質問の意味が分からなかったようで、首を傾げていた。

「安心して良いんだよ、二人共」

「何を?」

さっきまでの心配、全部返して欲しいね。

いや…一瞬でも疑った私が悪いのかな。

「ルレイア達は裏切ってなんかいない。彼らは今も…私達の味方だってことだよ」