――――――…一通り話し合いが終わった後。

アイズはそのまま、護衛のアリューシャとシュノさんと共に『青薔薇連合会』本部に残り。

俺とルルシーと、ルリシヤとルーチェスの四人は。

揃って、ルルシーの家に帰るべく一緒に歩いていた。

「…あのさ」

四人でぞろぞろ歩いている様を見て、ルルシーが怪訝な顔をして振り向いた。

「ルレイアは良いよ、別に。一緒に行動してくれた方が余計な心配せずに済むから」

俺は許された。

が。

「でも、何でお前らまでついてきてんだ?」

ルルシーは、ルリシヤとルーチェスに尋ねた。

当たり前のようについてきてますもんね、二人共。

「何でって…俺はルルシー先輩の家に行って、備蓄してある予備の監視カメラと盗聴器を取りに行こうと思ってな。アイズ先輩の警護に必要かもしれない」

「ふーん…。何で俺の家にそんなものを勝手に備蓄してるのかについて考えたら、頭が痛くなりそうだが…。まぁそういうことなら…」

ルリシヤも許された。

「じゃあルーチェス、お前は?」
 
「僕ですか?僕はこの先にある本屋さんに寄ってから帰ろうと思って。定期購読してるBL雑誌の発売日なんですよ」

「ふーん。成程、ルーチェス。お前は駄目だ」

ルーチェスは許されなかった。

何でですか。ルーチェスも許してあげてくださいよ。

俺の弟子ですよ?

「何で駄目なんですか。BL雑誌くらいで」

「駄目に決まってるだろ。なんてもん定期購読してるんだ」

なんてもん、って言われても…。

BL雑誌ですよねぇ?健全な。

「発売日に書店に行って売り切れてた!という事故がないよう、しっかり取り置きしてもらってるんですよ。賢いでしょう?」

それは賢い。さすが俺の弟子。

入荷が遅れて、発売日の翌日にならないと店頭に並ばない…っていう悲しいパターンもありますよね。

それなのに。

「取り置きなんかしてもらわなくても、そんなBL雑誌を欠かさず毎月発売日に買うのはお前くらいだろ」

ルルシーは、このつれないお返事。

全くもう。サナリ派の件で気が立ってるのは分かりますけど。

「むっ、失礼な!僕だけじゃないですよ。セカイさんと一緒に、二人で読むんです」

「ルティス帝国広しと言えども、夫婦でBL本を回し読みしてるのはお前らくらいのもんだろうよ…」

「本当ですか?えへへ…」

「褒めてる訳ではないからな」

一緒にBL雑誌を回し読み出来る夫婦…。

何だか憧れますよね。俺とルルシーも、そんな夫婦になりたい。

さすが俺の弟子、と言ったところですね。

…すると、そのとき。

「…む」

背後から、嫌な気配を感じた。