一斉に泳ぎ出して、全員が沖に辿り着き、そのまま浜辺に戻ってきた。
海で泳ぐのは久し振りで、最初は少し戸惑ったが。
10メートルほども泳ぐと、感覚を取り戻してきた。
プールとはまた違った体験。なかなか楽しかった。
で、レースの結果がどうなったのかと言うと。
「ふむ…2位か。薫陶したな」
仮面をくいっ、と指先で上げて、ルリシヤがそう言った。
そう、ルリシヤは2番。
そして、そのルリシヤと僅差で3位になったのが…。
「うぅ…。いまいちだった…」
しょぼん、と落ち込むシュノさんである。
プールなら負けなかったと思うが、海だと調子が出なかったのだろうか。
「途中で足が吊りそうになって、思いっきり泳げなかったの」
と、いうトラブルに見舞われたらしい。
それは気の毒な。
そんなトラブルがなかったら、もしかしたら順位は変わっていたかもしれないな。
で、4位…つまりビリになったのは。
「…何となく結果は読めてたから、落ち込みはしないな」
「元気出してください、ルルシー…!」
以前と同じく、ルルシーが最下位だった。
最下位とはいえ、そんなに差はないのだが。
「さすがに相手が悪いよ、ルルシー」
ストップウォッチ代わりのスマホを持ったまま、アイズが言った。
まぁ、確かにそうだな。
俺もルリシヤもシュノさんも、それなりに泳ぎには自信があるので。
このメンバーで競争したら、そりゃこうなる。
ルルシーが特別、泳ぐのが下手という訳じゃない。
ルルシーが遅いんじゃなく、他のメンバーが速いのだ。
…そんな訳で、今回のレース、堂々の一位は。
「おめでとう、ルレイア先輩」
「さすがルレイア。格好良い…!」
「うふふ、ありがとうございます」
優勝は、掻っ攫わせてもらいましたよ。
このメンバーで勝負して勝てたとなると、何だか鼻が高い。
「お前、海で泳ぐの初めてじゃなかったのか?」
と、ルルシーが尋ねた。
そんなに経験がある訳ではないが…。
「帝国騎士官学校時代に、課外授業の一環で、遠泳に行ったことがあるんですよ」
「あ…。そうだったのか…」
帝国騎士官学校時代と聞いて、ルルシーの顔が曇った。
申し訳無さそうな、悪いことを聞いてしまったような…そんな顔である。
別に気にしなくて良いのだが。ルルシーは優しいから。
「ともかく、ルレイア。優勝おめでとう」
暗い空気になりかけたところを、アイズが巧みに引き戻した。
「アリューシャ、ほら。さっき集めてたアレ、優勝商品代わりにルレイアにあげたら?」
「おぉ、良いぜ!持ってけドロボー!」
泥棒ではないですけどね。
それで、アリューシャがさっき集めていたアレとは…?
「ほらよ!」
「ありがとうございます」
アリューシャが手渡してくれたのは、太陽の日差しにキラキラ光る貝殻だった。
成程、そう来たか。
海で泳ぐのは久し振りで、最初は少し戸惑ったが。
10メートルほども泳ぐと、感覚を取り戻してきた。
プールとはまた違った体験。なかなか楽しかった。
で、レースの結果がどうなったのかと言うと。
「ふむ…2位か。薫陶したな」
仮面をくいっ、と指先で上げて、ルリシヤがそう言った。
そう、ルリシヤは2番。
そして、そのルリシヤと僅差で3位になったのが…。
「うぅ…。いまいちだった…」
しょぼん、と落ち込むシュノさんである。
プールなら負けなかったと思うが、海だと調子が出なかったのだろうか。
「途中で足が吊りそうになって、思いっきり泳げなかったの」
と、いうトラブルに見舞われたらしい。
それは気の毒な。
そんなトラブルがなかったら、もしかしたら順位は変わっていたかもしれないな。
で、4位…つまりビリになったのは。
「…何となく結果は読めてたから、落ち込みはしないな」
「元気出してください、ルルシー…!」
以前と同じく、ルルシーが最下位だった。
最下位とはいえ、そんなに差はないのだが。
「さすがに相手が悪いよ、ルルシー」
ストップウォッチ代わりのスマホを持ったまま、アイズが言った。
まぁ、確かにそうだな。
俺もルリシヤもシュノさんも、それなりに泳ぎには自信があるので。
このメンバーで競争したら、そりゃこうなる。
ルルシーが特別、泳ぐのが下手という訳じゃない。
ルルシーが遅いんじゃなく、他のメンバーが速いのだ。
…そんな訳で、今回のレース、堂々の一位は。
「おめでとう、ルレイア先輩」
「さすがルレイア。格好良い…!」
「うふふ、ありがとうございます」
優勝は、掻っ攫わせてもらいましたよ。
このメンバーで勝負して勝てたとなると、何だか鼻が高い。
「お前、海で泳ぐの初めてじゃなかったのか?」
と、ルルシーが尋ねた。
そんなに経験がある訳ではないが…。
「帝国騎士官学校時代に、課外授業の一環で、遠泳に行ったことがあるんですよ」
「あ…。そうだったのか…」
帝国騎士官学校時代と聞いて、ルルシーの顔が曇った。
申し訳無さそうな、悪いことを聞いてしまったような…そんな顔である。
別に気にしなくて良いのだが。ルルシーは優しいから。
「ともかく、ルレイア。優勝おめでとう」
暗い空気になりかけたところを、アイズが巧みに引き戻した。
「アリューシャ、ほら。さっき集めてたアレ、優勝商品代わりにルレイアにあげたら?」
「おぉ、良いぜ!持ってけドロボー!」
泥棒ではないですけどね。
それで、アリューシャがさっき集めていたアレとは…?
「ほらよ!」
「ありがとうございます」
アリューシャが手渡してくれたのは、太陽の日差しにキラキラ光る貝殻だった。
成程、そう来たか。


