The previous night of the world revolution7~P.D.~

――――――…その頃。帝国騎士団では。

「おいおい…。それは本当か?」

ルシェからその情報を聞かされたとき、俺も、その場に居合わせたルーシッドも、思わず耳を疑った。

とても信じられない。

が…。

「このようなこと、冗談でも言わない」

…だよな。

ルシェがこのような、質の悪い冗談を口にするはずもなく。

ってことは本当に…事実なのだ。

「まさか…『青薔薇連合会』の首領が暗殺されるなんて…」

ルーシッドは、先程ルシェから聞かされた衝撃のニュースを呆然と呟いた。

しかし、その言い方には語弊があるぞ。

「まだ死んではいないんだろ。暗殺未遂だ、未遂」

「あ、そうか…。そうですよね」

勝手に殺してやるなよ。

まぁ、これから死ぬのかもしれないが…。

「容態は?どうなってるんだ?」

「そこまでは分からない」

成程。

もしかしたら、掠り傷一つでピンピンしているのかもしれないし。

意識不明、心肺停止で今日明日の命であるかもしれない訳か。

さすがにそこまでは分からない。『青薔薇連合会』の連中も、そのような組織の危機は隠しておきたいだろうしな。

だが、組織の頭目の命が狙われたのだ。

当然穏やかではあるまい。

あいつ…ルレイアなんて、怒り心頭に発してるんじゃないか?

何処の誰だ。あの男をブチギレさせるような、命知らずな真似をした馬鹿は。

ルレイアの鎌の錆びにされるのは間違いないな。

…それはともかく。

「オルタンスには?もう報告したのか?」

「いや、まだだ」

「…ふーん…」

…言った方が良いよな。当たり前だけど。

オルタンスは、あれで一応…帝国騎士団団長であって…。

…非常に気は進まないが、誰かがオルタンスに報告しに行かなければならない。

ルシェ、お前が行ってこいよと言いたいところだが…。

「…分かった。俺とルーシッドの二人で、オルタンスのところに行ってくる。お前は他の隊長達に伝えてくれ」

俺は、ルシェにそう言った。

俺は聖人君子だな。間違いない。

巻き込まれたルーシッドが、「えぇ…?」みたいな顔をしていたが。

それは見なかったことにする。

「分かった。頼む」

ルシェは頷いて、部屋から出ていった。

「…俺達も行くぞ、オルタンスのところに」

「…はい…」

自分を巻き込まないでください、と文句を言わないルーシッドは、非常に立派だ。

本当の聖人君子はお前かもな。