The previous night of the world revolution7~P.D.~

「これはあれですか。以前噂に聞いたことはあるんですが…」

「ハンバーガーだよ…。ルーチェス君が今夜帰らないって言ってたから、久し振りにファーストフードでお持ち帰りしようと思って」

やっぱり。

流行りのジャンクフードって奴ですね?

え?別に流行ってる訳じゃないって?

…そうなんですか?

「成程…。これが噂のファーストフード…」

「ルーチェス君。食べたことないの?」

「ないですね」

「この王子様め!」

王子様でしたから。

食べてみたかってんですよ。でも、レスリーに固く止められていたもので。

カップ麺やファミレスのハンバーグは、こっそり食べましたけど。

ファーストフード店のハンバーガーは、まだ未経験である。

へぇ。こんな感じなんですね。

脂っこい匂いがなんとも、ジャンクフードって感じがして面白い。

「私は昔、よく食べてたよ。…って言っても太るから、たまの贅沢に食べてただけだけど…」

とのこと。

確かに、カロリーの塊みたいな形状してますよね。

しかも。

「…僕、ファーストフード店のハンバーガーって食べたことないんですけど…」

「何…?」

「これって、3つも食べないとお腹いっぱいにならないんですか?」

僕は、セカイさんが抱き抱えて隠そうとしていたハンバーガーの紙袋を指差した。

テーブルの上には、食べかけのハンバーガーが一つ。

更に、まだ未開封のハンバーガーが、でん、でん、と2つ置いてあった。

それだけではない。

安っぽい紙の容器に、細いフライドポテトがみっちりと入っているし。

その横には、5つ入りのチキンナゲットの箱が置いてある。

更にその横にあるのは…どうやらアイスクリーム?のようなデザートらしい。

…。

「…食べ過ぎでは?」

「う、ううう、うるさーいっ!」

顔を真っ赤にしたセカイさんが、僕の頭をぺしっ、とはたいた。

今日はよく暴力を受けますね。

まぁ、セカイさんの気の抜けたビンタと、仮にも『青薔薇連合会』幹部であるシュノさんのパンチは、比べ物にならないんですが。

いやぁ彼女の左ストレートは効きましたよ。

「だってだって、ルーチェス君今夜帰ってこないって思ってたんだもん!ルーチェス君がいないから、しめしめって思って、久し振りにファーストフードで豪遊としようと思って…」

「はぁ…そうですか。別に僕が見ているところで豪遊しても良いですよ?」

僕は気にしないですし…。

何なら、僕も便乗してファーストフードを試してみても良い。 

しかし。

「無理だよ!ルーチェス君の前で、ハンバーガー3つも食べられる訳ないでしょ!恥ずかしいもん!」

そんな胸を張って「恥ずかしい」と言われても。

全然恥じてるようには見えないんですが。

「ハンバーガー3つに、Lポテトにナゲットフルーリー付きなんて、こいつ絶対デブだなって思われるに決まってるじゃん!」

とのこと。

そうなんですか?食べたことないんで分からないんですが…。

「…セカイさん」

「何だよっ」

「僕はあなたがぽっちゃりでも好きですよ」

「うるせーっ!ぽっちゃりじゃないもん!」

顔真っ赤のセカイさんである。

そんな恥ずかしがらなくても。