「どうだ?味の方は」
「うん。美味しいですよ」
さすがルリシヤ。料理の腕はプロ並み。
ルーチェスも負けてないんですよね、実は。
ルルシーも料理上手だしなぁ。
『青薔薇連合会』の幹部組は、意外と家庭的である。
この焼き立てのパンなんか、一流ホテルの味ですよ。
「ルルシー先輩はどうだ?」
「…そりゃ美味しいけどさ…」
「そうか。ルルシー先輩は一ヶ月近くも、毎日病院食だったからな。腕によりをかけようと思ったんだ」
「…気遣いどうも」
味気ない病院食を一ヶ月毎日食べた後に、ルリシヤの手料理なんか食べたら。
もう、感動で舌がびっくりですよ。
「でも、お前これ…本当にいつの間に作ったんだ?さっきまで病院にいたよな…?」
と、スプーン片手に首を傾げるルルシーである。
更に。
「それに…よく見たら、家の中めちゃくちゃ綺麗なんだけど…」
部屋の中をぐるりと見渡して、ルルシーはそう言った。
おっと。気づきましたね?ルルシー。
一ヶ月近くも留守にしていたとは思えないほど、部屋の中が何処を見ても綺麗。
埃なんて全く積もっていない。
「元々今夜は、ルルシー先輩の退院祝いパーティーを開く予定だったからな。晩餐の下準備はしていたんだ」
ルルシーの問いに、ルリシヤが答えた。
「あ、そういうことか…。いや、でも…準備してても、あの短時間でこれだけ作るのは無理だろ…」
そこはあれですよ、ルルシー。
熟練カリスマ主婦、ルリシヤの腕の見せ所って言うか。
「家の中が綺麗なのは、ルルシー先輩の留守中も俺が定期的に掃除しに来ていたからだ」
「…」
「浴室のボディーソープも詰め替えておいたぞ。窓拭きもしておいた」
ドヤァ、とドヤ顔のルリシヤである。
さすがルリシヤ。仕事に隙がない。
「…お前、俺の入院中も勝手にこの部屋に忍び込んでたのか?」
「忍び込んでいたとは人聞きの悪い。ルリシヤルームサービスだ」
「廃業しろ」
ちょっとルルシー。それは酷いのでは?
ルリシヤルームサービス…。是非とも俺も利用してみたいですね。
「ったく…。はぁ…」
溜め息をつくルルシーである。
まぁまぁ、そう落ち込まなくても。
掃除しなくて良くなったんだから、それで良しってことにしましょうよ。
「しかし、折角準備したんだから…本当は、皆に食べて欲しかったな」
と、ルリシヤはポツリと漏らした。
…でしょうね。
俺だって、折角なら…アシュトーリアさんを含め、幹部組の皆で今夜のパーティーを楽しみたかったですよ。
今頃、ルルシーの退院祝いパーティーを開いているところだったろうに。
何故こんなことになってしまったのやら…。
「…そうだな」
「…ここだけの話だが、先輩方はどう思う?」
ルリシヤが聞いてきた。
「どう思う、とは?」
犯人が誰か、って話か?アシュトーリアさんを心配してるか、って話か?
それとも…アシュトーリアさんに「万が一」のことが起きたときどうするのか、って話か?
あるいは、その全部をひっくるめてどう思うか、って話か。
「シュノ先輩がいる手前、あまり後ろ向きなことは言えなかったが…。もしこのまま、アシュトーリアさんの意識がもどらなかったらどうするか、という話だ」
あぁ、成程。そういう話ですか。
確かに、シュノさんやアイズのいる手前…こんな話は出来ませんね。
「うん。美味しいですよ」
さすがルリシヤ。料理の腕はプロ並み。
ルーチェスも負けてないんですよね、実は。
ルルシーも料理上手だしなぁ。
『青薔薇連合会』の幹部組は、意外と家庭的である。
この焼き立てのパンなんか、一流ホテルの味ですよ。
「ルルシー先輩はどうだ?」
「…そりゃ美味しいけどさ…」
「そうか。ルルシー先輩は一ヶ月近くも、毎日病院食だったからな。腕によりをかけようと思ったんだ」
「…気遣いどうも」
味気ない病院食を一ヶ月毎日食べた後に、ルリシヤの手料理なんか食べたら。
もう、感動で舌がびっくりですよ。
「でも、お前これ…本当にいつの間に作ったんだ?さっきまで病院にいたよな…?」
と、スプーン片手に首を傾げるルルシーである。
更に。
「それに…よく見たら、家の中めちゃくちゃ綺麗なんだけど…」
部屋の中をぐるりと見渡して、ルルシーはそう言った。
おっと。気づきましたね?ルルシー。
一ヶ月近くも留守にしていたとは思えないほど、部屋の中が何処を見ても綺麗。
埃なんて全く積もっていない。
「元々今夜は、ルルシー先輩の退院祝いパーティーを開く予定だったからな。晩餐の下準備はしていたんだ」
ルルシーの問いに、ルリシヤが答えた。
「あ、そういうことか…。いや、でも…準備してても、あの短時間でこれだけ作るのは無理だろ…」
そこはあれですよ、ルルシー。
熟練カリスマ主婦、ルリシヤの腕の見せ所って言うか。
「家の中が綺麗なのは、ルルシー先輩の留守中も俺が定期的に掃除しに来ていたからだ」
「…」
「浴室のボディーソープも詰め替えておいたぞ。窓拭きもしておいた」
ドヤァ、とドヤ顔のルリシヤである。
さすがルリシヤ。仕事に隙がない。
「…お前、俺の入院中も勝手にこの部屋に忍び込んでたのか?」
「忍び込んでいたとは人聞きの悪い。ルリシヤルームサービスだ」
「廃業しろ」
ちょっとルルシー。それは酷いのでは?
ルリシヤルームサービス…。是非とも俺も利用してみたいですね。
「ったく…。はぁ…」
溜め息をつくルルシーである。
まぁまぁ、そう落ち込まなくても。
掃除しなくて良くなったんだから、それで良しってことにしましょうよ。
「しかし、折角準備したんだから…本当は、皆に食べて欲しかったな」
と、ルリシヤはポツリと漏らした。
…でしょうね。
俺だって、折角なら…アシュトーリアさんを含め、幹部組の皆で今夜のパーティーを楽しみたかったですよ。
今頃、ルルシーの退院祝いパーティーを開いているところだったろうに。
何故こんなことになってしまったのやら…。
「…そうだな」
「…ここだけの話だが、先輩方はどう思う?」
ルリシヤが聞いてきた。
「どう思う、とは?」
犯人が誰か、って話か?アシュトーリアさんを心配してるか、って話か?
それとも…アシュトーリアさんに「万が一」のことが起きたときどうするのか、って話か?
あるいは、その全部をひっくるめてどう思うか、って話か。
「シュノ先輩がいる手前、あまり後ろ向きなことは言えなかったが…。もしこのまま、アシュトーリアさんの意識がもどらなかったらどうするか、という話だ」
あぁ、成程。そういう話ですか。
確かに、シュノさんやアイズのいる手前…こんな話は出来ませんね。


