The previous night of the world revolution7~P.D.~

病院からタクシーに乗って、俺達はルルシー宅に到着。

「ほぼ一ヶ月留守にしてたからな…。まずは掃除だな」

忘れるなかれ。ルルシーは今日退院したばかりなのである。

退院おめでとうパーティーは完全に取りやめだな。

タイミングが悪過ぎた。

とてもじゃないが、今は祝宴を開く気分でもないし…。

「ルレイア、お前もちょっと手伝って…」

と、ルルシーは言いかけたが。

その必要はない。

マンションのルルシーの部屋に入ると、そこで待っていたのは。

「おっと。やはりルレイア先輩同伴だったな。お帰り」

「うわぁっ!?」

廊下の奥からひょいっ、と顔を出したのは、勿論。

俺達の頼れる後輩、ルリシヤ・クロータスその人である。

いると思ってましたよ。

しかし、ルルシーは全く予想していなかったらしく、腰を抜かさんばかりに驚いていた。

その驚いた顔…戴きました。

にゅふ。

「おま、な、な…何でいるんだよっ!?」

「丁度夕飯の支度が出来たところだ。温かいうちに食べよう」

エプロン姿のルリシヤが言った。

さっきから良い匂いしてるなーと思ってたんですよ。

「ルリシヤ、今日の夕飯は何ですか?」

「今日はかぼちゃシチューだ。そろそろ秋だしな」

「ほほう。それは美味しそうですね〜」

「ちょっと待て。何がかぼちゃシチューだ。ルリシヤ!お前は何でここにいるんだよ!?いつの間に侵入した!?」

ルルシーがおこだわ。

「まぁまぁ、良いじゃないですかルルシー。細かいことは」

「細かくねぇよ。自分の家に不審者が侵入してるんだぞ?普通は警察を呼ぶところだからな」

ルリシヤはルリシヤでしょう。不審ではありませんよ。

よって、警察を呼ぶには値しません。

「ほらほらルルシー、我儘は言わないで。早く食べましょうよ。折角ルリシヤが作って待っててくれたんだし」

「何で俺が駄々っ子みたいな扱いを受けてるんだよ…!?」

「さぁさぁ、良いから良いから」

俺はルルシーの背中を後ろから押し、ダイニングキッチンに入った。

テーブルの上には、既に夕食の準備が整っていた。

かぼちゃシチュー、サラダが二種、ほかほかと湯気を立てるパンに加え、デザートにケーキまでついている。

いやぁ、準備万端じゃないですか。

「お前…いつの間にこんなに作ったんだ…?」

「パンは焼き立てだぞ。レーズンバターも手作りしてみた。さぁ、食べてみてくれ」

「パンまで手作りなのかよ…!?」

パンを手作り出来る人って凄いですよね。高級感があるって言うか。

しかも、レーズンバターまで手作り。

何でも本格派のルリシヤである。

お雑煮に入れるお餅さえ、自分でついているくらいですもんね。

「さぁ、ルルシー。こんなときですけど、食事くらいは楽しみましょうよ」

「…分かったよ…」

渋々といった様子で、ルルシーは食卓についた。