…更に。
「…アシュトーリアさんが死んだらすげー嫌だけどさ。でもアシュトーリアさんは多分、こういうときのことも覚悟してるよな」
これまでずっと沈黙を守っていたアリューシャが、廊下の丸椅子に座りながらそう言った。
アリューシャもアリューシャなりに、自分の中で状況を理解しようと努力しているようだ。
「それにアリューシャ達がこうして仲間割れしてたら、アシュトーリアさんは悲しむぞ」
「…そうでしょうね」
俺だって、自分が怪我して寝込んでいる間に、こうして仲間達が揉めているのを見たら。
「俺の為に争わないで!」と言いたくなるだろうからな。
むしろこんなときだからこそ、一致団結して事の解決に臨んで欲しい。
「こうして幹部組の動揺と分裂を誘うのも、敵の策の一つだろう」
と、ルリシヤ。
アシュトーリアさんと幹部組の「仲が良い」ことは、『青薔薇連合会』の事情に通じていれば、誰もが知っているだろうからな。
「考えたくないのは同感だが、ルーチェス後輩の言う通り…万が一のことも考えなければなるまい」
「…そうですね」
アシュトーリアさんもきっと、俺達がそうあることを望んでいるはずだ。
そう信じるしかない。
「…お前はどう思う、アイズ」
ルルシーが、アイズに尋ねた。
アイズもまた、ずっと沈黙を守っていた。
恐らくこの中で最も動揺しているに違いないが、それでも最も冷静に振る舞わなければならない彼の胸の内を。
俺には、憶測することしか出来なかった。
下手な慰めや楽観論は、アイズには通じない。
正直、俺も何を言って良いのか分からなかった。
そして何を言っても、本当の意味でアイズを励ますことは出来ないだろう。
「…そうだね」
アイズは静かな声で、俺達の方を向いた。
「…アシュトーリアさんが死んだらすげー嫌だけどさ。でもアシュトーリアさんは多分、こういうときのことも覚悟してるよな」
これまでずっと沈黙を守っていたアリューシャが、廊下の丸椅子に座りながらそう言った。
アリューシャもアリューシャなりに、自分の中で状況を理解しようと努力しているようだ。
「それにアリューシャ達がこうして仲間割れしてたら、アシュトーリアさんは悲しむぞ」
「…そうでしょうね」
俺だって、自分が怪我して寝込んでいる間に、こうして仲間達が揉めているのを見たら。
「俺の為に争わないで!」と言いたくなるだろうからな。
むしろこんなときだからこそ、一致団結して事の解決に臨んで欲しい。
「こうして幹部組の動揺と分裂を誘うのも、敵の策の一つだろう」
と、ルリシヤ。
アシュトーリアさんと幹部組の「仲が良い」ことは、『青薔薇連合会』の事情に通じていれば、誰もが知っているだろうからな。
「考えたくないのは同感だが、ルーチェス後輩の言う通り…万が一のことも考えなければなるまい」
「…そうですね」
アシュトーリアさんもきっと、俺達がそうあることを望んでいるはずだ。
そう信じるしかない。
「…お前はどう思う、アイズ」
ルルシーが、アイズに尋ねた。
アイズもまた、ずっと沈黙を守っていた。
恐らくこの中で最も動揺しているに違いないが、それでも最も冷静に振る舞わなければならない彼の胸の内を。
俺には、憶測することしか出来なかった。
下手な慰めや楽観論は、アイズには通じない。
正直、俺も何を言って良いのか分からなかった。
そして何を言っても、本当の意味でアイズを励ますことは出来ないだろう。
「…そうだね」
アイズは静かな声で、俺達の方を向いた。


