The previous night of the world revolution7~P.D.~

そうですか、ルーチェス。

あなたがやってくれますか。汚れ役。

「誰が暗殺者を差し向けたのかは知りませんが、『青薔薇連合会』に敵意を持っているのは間違いない。アシュトーリアさんにもしものことが起きた、今のこの状況に付け込んで…良からぬ企みをしているに違いないでしょう」

「…それは…」

そうでしょうね。

アシュトーリアさんの身を脅かし、『青薔薇連合会』の根幹が揺らぐことを期待していた不届き者がいる。

そいつらは今頃、虎視眈々と牙を研ぎ、俺達が一番弱ったときを見計らって。

盛大に俺達の喉笛を掻き切ってやろうと、狩りをする肉食獣のごとく待ち構えていることだろう。

何の対策も立てなければ、俺達は獲物になった草食獣のごとく、食われておしまいだ。

それだけは避けなければ。

組織のトップがいなくなったとしても、組織そのものをなくす訳にはいかない。

「多分、あまり時間の余裕はありませんよ。ここで油を売ってても仕方がない。やれることをすぐにでもやるべきです。こうしている間にも、」

「っ、あなたって人は…!」

あくまで冷静に前を向こうとするルーチェスに、シュノさんが掴み掛かった。

咄嗟のことで、誰にも止められなかった。

「アシュトーリアさんが心配じゃないの、あなたは?どうしてそんなに冷静でいられるのよ…!?」

「心配ですよ、勿論。でも心配だからってここで悶々していても、何にもならないでしょうって話です」

「じゃあ何よ。アシュトーリアさんが死…死ぬことを想定して行動しろって言うの。あの人の命を見限って!?」

「見限れとまでは言っていませんが、諦める覚悟はしておくべきなのでは?こうなった以上」

「っ…!」

…その通りだ。

非情なようだが。冷徹なようだが…。

人の命が有限である限り、それはいつだって覚悟しなければならないことだ。