The previous night of the world revolution7~P.D.~

…俺が『青薔薇連合会』に加入して以来、初めてじゃないか?

これまでずっと盤石だった『青薔薇連合会』の体制が…これほど揺らぐことになるのは。

さすがの俺でも、これはちょっとやばいんじゃないかと思ってるくらいですから。

そして。

「…」

俺は、ちらりと彼の方を見た。

彼…アイズレンシア・ルーレヴァンツァは、無言で両手を固く握り締めていた。

さすがに険しい顔をしている。

アイズはシュノさん以上に、アシュトーリアさんとの思い出か深いはずだ。

何せ彼は、アシュトーリアさんの一番の秘蔵っ子。

誰よりもアシュトーリアさんの信頼を得ている。自他共に認める『青薔薇連合会』の次期首領なのだ。

…そう、次期首領。

アシュトーリアさんにもしものことがあれば…『青薔薇連合会』を継ぐのは、彼なのだ。

故に、分かっていないはずがない。

俺が今考えたこと。『青薔薇連合会』の首領が暗殺されたという情報が漏れたらどうなるか、ということが。

…迂闊に声は出せないですね。

「万が一」があったときの為に、今から考えておかなければならないことはたくさんある。

が、その話をするということは、アシュトーリアさんの命を諦める…覚悟をするということに他ならない。

にわかには諦められまい。ここにいる誰一人。

特に、アシュトーリアさんとの思い出が深い、アイズ、シュノさん、アリューシャ、ルルシーの古参組は。

彼らは幹部になって日が長いからな。

俺も大概だけど。

勿論、幹部になってからの時の長さだけが、アシュトーリアさんへの思いが深くなる訳ではない。

しかし…これほど動揺するシュノさんを見ていると、余計に何も…、

「…もしものときの準備くらいは、しておいた方が良いでしょうね」

不意に沈黙を破ったのは、俺の愛弟子であるルーチェスであった。