The previous night of the world revolution7~P.D.~

すっかり外は日が暮れ。

テーブルの上には、シュノさんやルーチェスやルリシヤや。

何なら主賓のルルシー本人が手づから作った料理の数々が、ほかほかと湯気を立てている。

今夜のお祝いの為にと、アイズが奮発して用意してくれたワインもある。

俺がハーレム会員に作らせた、とびきりのゴスロリ印のケーキもありますよ。

なんと、超豪華な三段ケーキです。

更には、ルリシヤも。

「…ルリシヤ。さっきからお前、大人しいな」

「…」

ルルシーに声をかけられ、ルリシヤは無言で、身振り手振りで返事をした。

手話である。

「俺は手話は分からん」

「『今喋ったら、口から万国旗が出る』だそうですよ」

「…またかよ…」

手話の分からないルルシーの変わりに、俺が通訳してあげた。

どうやら、またマジックの準備をしているらしい。
 
パーティーの準備は完璧。ルリシヤマジックの準備も完璧。

あとは、パーティーを開くだけ…なのだが。

アシュトーリアさんが来ない。

パーティーの時間は伝えておいたはずなのだが…彼女だけが未だに到着しない。

お客が来てないのに、勝手にパーティーを始める訳にもいかず。

俺達はこうして、「お預け」をされているところだ。

俺は他人を「お預け」して焦らすのは大好きだが、自分がお預けされるのは嫌いである。

「アイ公、アシュトーリアさんは?何やってんの?」

「うーん…おかしいね、メールを送ってみたんだけど、返事がない」

と、スマホを片手に、怪訝そうな顔でアイズが言った。

…ふむ。それはおかしいですね。