一体何処に行方を眩ませたのか。あの小賢しい連中は。

それに、行方が掴めないのは連中だけではない。

『M.T.S社』のリーダーと幹部達は帝国自警団に匿われている、という例の嘘八百を俺達に教えた、あの情報屋。

こいつの行方も、今のところ分かっていない。

非常に不甲斐ない。

勿論このままおめおめと逃がすつもりはないが、行方が分からない以上、今はまだ動けない。

もどかしいけど、こればかりは仕方ない。

ルルシーに良い知らせを聞かせてあげたかったんだけどな。

そして。







「退院おめでとう、ルルシー。…あなたに朗報を聞かせてあげられないのが残念だわ」

アシュトーリアさんも、俺と同じことを言った。