「俺、今日の為に新しい日焼け止めを新調したんですよ」

俺は愛しいルルシーに、自慢げに日焼け止めのボトルを見せた。

「…何だ?その妖しいパッケージ…」

よくぞ気づいてくれました。

「これはですねー、香り付きの日焼け止めオイルでして。ぬるぬるとしたオイルに、妖艶な香りが立ち込め…」

「あーはいはい。何処で売ってんだそんなもん。自分で塗れ」

ルルシーはひらひらと手を振って、素っ気ない返事。

いやん。

全くもう、ルルシーったらシャイなんだから。

ビーチで日焼け止めを塗り合うのは、恋人同士の定番イベントじゃないか。

ルルシーは恥ずかしがり屋だから、皆の見てる前でイチャイチャするのが恥ずかしいんだろうな。

…あるいは。

塗りたいんじゃなくて…塗られたい、ですよね?

「…にゅふ」

「…何だよ、その気持ち悪い声…」

「ルルシーったら、えっち!」

「えっちなのはお前だ。何の妄想をしてんだよ?」

悪いけど、俺は妄想をしてるんじゃない。

童貞非リア充でもあるまいに。

正真正銘のリア充である俺は…妄想などしなくても、何もかも現実に出来るんだよ。

「…そんな訳なので、俺がルルシーに日焼け止めを塗ってあげますね!」

「…ちょっと待て。何が『そんな訳』なんだ?勝手に一人で納得すんな!」

「さぁさぁ、ルルシー。うつ伏せになって。俺が熟練した腕前で、ルルシーの柔肌を撫で回し…にゅふふふふ」

「気色悪っ!離れろ!」

「離しませんよ。ルルシーのナマ肌に触れるチャンス。はぁ、フェロモンが溢れそう…!」

「出すな!そして離れろ!」

「ルルシ〜っ!!」

「誰かっ…誰か助けてくれ!」

俺がルルシーのビーチチェアに乗っかり、ルルシーに襲いかかろうとすると。

ルルシーは叫び声をあげて、助けを求めようとした。

…しかし。

「アイ公、まーたルレ公がルル公襲ってるぜ」

「そうだね。アリューシャにはまだ早いからね、見ちゃ駄目だよ。…さぁ、あっちでバタ足の練習しよっか」

「おう!ルティス海峡を泳いで横断してやるぜ!」

アイズ&アリューシャ親子は、手を繋いでバタ足の練習。

「ルレイア、楽しそう…!後で私も日焼け止め塗って欲しいな…」

シュノさんはこの反応。

勿論、シュノさんにも後で塗ってあげますよ。

それからシュノさん、今日の水着、素晴らしいですね。

さすが、俺のチョイスしたゴスロリ黒ビキニ。

よくお似合いですよ。

…そして。

「くそっ、あいつら、全然頼りにならねぇ…!こうなったらルリシヤ、お前が助け…、」

「ルルシー先輩、動かないでくれ。両手どころか、両足も縛らなきゃならなくなる」

「お前は何を考えてるんだよ!縛るな!」

ルリシヤは俺と一緒に、ルルシーをうつ伏せに固定しようと、結束バンドを手にしていた。

さすが。ルリシヤは俺の味方ですよ。

「にゅふ。禁縛プレイ…にゅふふ。涎が…」

「離せ馬鹿。この変態!」

「ありがとうございます!」

「褒めてんじゃねぇよ!」

俺と一緒に海水浴に来たのが、ルルシーの運の尽きというものです。

存分に…イチャイチャさせてもらいますからね?