「ではまず、手始めに」
ルリシヤはくるっとシルクハットを回したかと思うと、シルクハットの中に手を突っ込んだ。
すると。
何もなかったはずの帽子の中から、パタパタと音がした。
…何かいる…?
シルクハットから手を出すと、ルリシヤの手には鳩が留まっていた。
くるっぽー、ってなもんである。
何処に仕込んでいたんだ。その鳩。
パタパタ言ってたのは、鳩が羽ばたいている音だったのか。
「どうだ?ルルシー先輩」
「あぁ、うん…」
凄いんだろうけど、ルリシヤならそのくらい訳ないだろうな、とも思う。
何せこの男と来たら、ほぼ手ぶらでヘールシュミット邸の地下牢からも脱出するくらいだから。
「おぉぉ!凄い!何処に隠してたの?」
むしろ、ルーチェス嫁の方が喜んでいた。
「その鳩はどうするんだ?」
「あぁ、逃がす。駅の周りにたむろしていた鳩を連れてきただけだからな」
そう言って、ルリシヤは鳩を病室の窓から離してやっていた。
お前、このマジックの為に駅の周りに行って、鳩を一羽パクってきたのか。
怒られてしまえ。
「鳩だけじゃないぞ。この通り…」
ルリシヤは再びシルクハットに手を入れ、わざとらしく、ぐいぐいと引っ張ってから。
今度は、キラキラ光るリボンを取り出す。
何処に隠してたんだ。あんなでっかいリボン。
「うぉぉ、凄い!」
またしても、俺よりルーチェス嫁の方が喜んでいる。
「次はこれ」
次に帽子から取り出したのは、板チョコ。
次に、クマのぬいぐるみ。
果ては、『frontier』のCDまで。
どんだけ仕込んでたんだ、あの帽子。
とてもじゃないが、あの帽子の中に入る量ではないのだが?
「すごーっ!天才だ、天才!」
生まれて初めて見るルリシヤマジックに、大興奮のルーチェス嫁。
「異次元帽子だ、異次元帽子!凄いね!」
「そうだろう?お褒めに預かり光栄だ」
「他にもまだ出せる?飴ちゃん出してって言ったら出せるの?」
いや、それはさすがに無理なのでは?
異次元ポケットならぬ、異次元帽子のように見えるけども。結局はマジックの一種。
事前に仕込んでいたものしか取り出せないだろう。
しかし。
ルリシヤは、俺の予想の斜め上を行っていた。
「飴ちゃんか。ちょっと待ってくれよ」
そう言ってルリシヤは、帽子の中に手を突っ込む。
そして、わざとらしく探すような手付きで手を動かす。
え、嘘だろ?まさか。
いくらルリシヤでも、さすがにそこまでは、
「おぉ、あったあった。ほら、飴ちゃんだ」
あろうことか、ルリシヤは帽子の中からペロペロキャンディーを取り出した。
…マジで?
俺、もしかしてルリシヤのこと見くびってたんじゃないの?
まさか、リクエストされたものまで取り出してみせるとは。
やっぱりお前、マフィアの幹部じゃなくてマジシャンを目指すべきなのでは?
冗談だけど。
ルリシヤはくるっとシルクハットを回したかと思うと、シルクハットの中に手を突っ込んだ。
すると。
何もなかったはずの帽子の中から、パタパタと音がした。
…何かいる…?
シルクハットから手を出すと、ルリシヤの手には鳩が留まっていた。
くるっぽー、ってなもんである。
何処に仕込んでいたんだ。その鳩。
パタパタ言ってたのは、鳩が羽ばたいている音だったのか。
「どうだ?ルルシー先輩」
「あぁ、うん…」
凄いんだろうけど、ルリシヤならそのくらい訳ないだろうな、とも思う。
何せこの男と来たら、ほぼ手ぶらでヘールシュミット邸の地下牢からも脱出するくらいだから。
「おぉぉ!凄い!何処に隠してたの?」
むしろ、ルーチェス嫁の方が喜んでいた。
「その鳩はどうするんだ?」
「あぁ、逃がす。駅の周りにたむろしていた鳩を連れてきただけだからな」
そう言って、ルリシヤは鳩を病室の窓から離してやっていた。
お前、このマジックの為に駅の周りに行って、鳩を一羽パクってきたのか。
怒られてしまえ。
「鳩だけじゃないぞ。この通り…」
ルリシヤは再びシルクハットに手を入れ、わざとらしく、ぐいぐいと引っ張ってから。
今度は、キラキラ光るリボンを取り出す。
何処に隠してたんだ。あんなでっかいリボン。
「うぉぉ、凄い!」
またしても、俺よりルーチェス嫁の方が喜んでいる。
「次はこれ」
次に帽子から取り出したのは、板チョコ。
次に、クマのぬいぐるみ。
果ては、『frontier』のCDまで。
どんだけ仕込んでたんだ、あの帽子。
とてもじゃないが、あの帽子の中に入る量ではないのだが?
「すごーっ!天才だ、天才!」
生まれて初めて見るルリシヤマジックに、大興奮のルーチェス嫁。
「異次元帽子だ、異次元帽子!凄いね!」
「そうだろう?お褒めに預かり光栄だ」
「他にもまだ出せる?飴ちゃん出してって言ったら出せるの?」
いや、それはさすがに無理なのでは?
異次元ポケットならぬ、異次元帽子のように見えるけども。結局はマジックの一種。
事前に仕込んでいたものしか取り出せないだろう。
しかし。
ルリシヤは、俺の予想の斜め上を行っていた。
「飴ちゃんか。ちょっと待ってくれよ」
そう言ってルリシヤは、帽子の中に手を突っ込む。
そして、わざとらしく探すような手付きで手を動かす。
え、嘘だろ?まさか。
いくらルリシヤでも、さすがにそこまでは、
「おぉ、あったあった。ほら、飴ちゃんだ」
あろうことか、ルリシヤは帽子の中からペロペロキャンディーを取り出した。
…マジで?
俺、もしかしてルリシヤのこと見くびってたんじゃないの?
まさか、リクエストされたものまで取り出してみせるとは。
やっぱりお前、マフィアの幹部じゃなくてマジシャンを目指すべきなのでは?
冗談だけど。


