…黒かった。
その花束は、何もかも黒かった。
花も、茎も葉っぱも、包んでいる紙もリボンも。
何もかもが真っ黒の、漆黒の花束。
「…何で黒…?」
俺は呆然とそう呟いた。
「格好良いかと思ってな。ただの花束ではつまらないし。黒い花束にしてみた」
仮面越しでも分かる。そのドヤ顔。
…お前…。
シュノでさえ。シュノでさえすんでのところで踏み留まったんだぞ。
それなのに、お前を一線を越えてしまったのか。
アイズ。シュノを止めるなら、ついでにルリシヤも止めてくれよ。
「おぉ、凄い!良い趣味ですね、ルリシヤ」
俺よりも、ルレイアの方が喜んでいる。
ルレイアを喜ばせてどうするんだ。
「それに、これだけじゃないぞ。ルルシー先輩」
「あ…?」
「ルレイア先輩がいるとはいえ、ルルシー先輩もそろそろ、入院生活に飽きた頃かと思ってな」
そりゃまぁ…。楽しくはないけど…。
これでも、ルレイアがいるお陰でだいぶ気分転換になっているのだ。
「お世話」を抜きにすれば、何だかんだルレイアがいてくれて助かってる。
少なくとも、話し相手に困ることはないしな。
…え?四六時中ルレイアと話してて、話題に困ることはないのかって?
それはないなぁ、不思議と…。一日中喋ってても全然飽きないって言うか…。
まぁ、一緒にいて飽きる仲なら、今日に至るまでルレイアの相棒なんかやってないよな。
お喋りには飽きないが、一日中病院のベッドの上で過ごすのは、確かに飽き飽きしてきた。
いくら休暇だと思っても。寝て喋ってテレビ観て…の繰り返しだもんな。
それくらい余裕じゃないか、って思うだろう?
のんびりした気分を味わえるのは、精々一日二日程度だ。
あとはつまんないぞ。身体動かせなくてムズムズする。
そういう意味では、確かに飽きたと言えるのかもしれない。
「そんなルルシー先輩の退屈を紛らわせる為に…ルリシヤマジックショーをお見せしよう」
と言って、ルリシヤはくるくると指でシルクハットを回した。
あぁ。そういえば。
お前のちょっとした特技だったな。マジック。
普段から仮面をつけてるもんだから、凄く様になってるって言うか…。
マフィアの幹部じゃなくて、マジシャンの方が本職なんじゃね?って思う。
冗談だけどさ。
「どうだろう?わくわくしてきたか?」
「わくわく…は別にしないけど、よその迷惑になることはするなよ」
アリューシャみたいに大騒ぎをして、他の患者や医療スタッフ達の迷惑になってはならない。
ましてや今、ベッドの横にルヴィア嫁の持ってきたお面が飾ってあるせいで。
病室に足を運んだ医者や看護師の皆さんが、軒並みお面を見てビクッ、としてるからな。
今朝食事を持ってきてくれた看護師なんか、びっくりして悲鳴あげてたレベル。
そりゃこんなお面を見たら、誰だってビビるわ。
夜中に見たら、もっと恐ろしいからな。
本当にこれで怪我や病気が治るのか、甚だ疑問である。
折角ルヴィア嫁が持ってきてくれたから、感謝して飾っておくけどさ。
その花束は、何もかも黒かった。
花も、茎も葉っぱも、包んでいる紙もリボンも。
何もかもが真っ黒の、漆黒の花束。
「…何で黒…?」
俺は呆然とそう呟いた。
「格好良いかと思ってな。ただの花束ではつまらないし。黒い花束にしてみた」
仮面越しでも分かる。そのドヤ顔。
…お前…。
シュノでさえ。シュノでさえすんでのところで踏み留まったんだぞ。
それなのに、お前を一線を越えてしまったのか。
アイズ。シュノを止めるなら、ついでにルリシヤも止めてくれよ。
「おぉ、凄い!良い趣味ですね、ルリシヤ」
俺よりも、ルレイアの方が喜んでいる。
ルレイアを喜ばせてどうするんだ。
「それに、これだけじゃないぞ。ルルシー先輩」
「あ…?」
「ルレイア先輩がいるとはいえ、ルルシー先輩もそろそろ、入院生活に飽きた頃かと思ってな」
そりゃまぁ…。楽しくはないけど…。
これでも、ルレイアがいるお陰でだいぶ気分転換になっているのだ。
「お世話」を抜きにすれば、何だかんだルレイアがいてくれて助かってる。
少なくとも、話し相手に困ることはないしな。
…え?四六時中ルレイアと話してて、話題に困ることはないのかって?
それはないなぁ、不思議と…。一日中喋ってても全然飽きないって言うか…。
まぁ、一緒にいて飽きる仲なら、今日に至るまでルレイアの相棒なんかやってないよな。
お喋りには飽きないが、一日中病院のベッドの上で過ごすのは、確かに飽き飽きしてきた。
いくら休暇だと思っても。寝て喋ってテレビ観て…の繰り返しだもんな。
それくらい余裕じゃないか、って思うだろう?
のんびりした気分を味わえるのは、精々一日二日程度だ。
あとはつまんないぞ。身体動かせなくてムズムズする。
そういう意味では、確かに飽きたと言えるのかもしれない。
「そんなルルシー先輩の退屈を紛らわせる為に…ルリシヤマジックショーをお見せしよう」
と言って、ルリシヤはくるくると指でシルクハットを回した。
あぁ。そういえば。
お前のちょっとした特技だったな。マジック。
普段から仮面をつけてるもんだから、凄く様になってるって言うか…。
マフィアの幹部じゃなくて、マジシャンの方が本職なんじゃね?って思う。
冗談だけどさ。
「どうだろう?わくわくしてきたか?」
「わくわく…は別にしないけど、よその迷惑になることはするなよ」
アリューシャみたいに大騒ぎをして、他の患者や医療スタッフ達の迷惑になってはならない。
ましてや今、ベッドの横にルヴィア嫁の持ってきたお面が飾ってあるせいで。
病室に足を運んだ医者や看護師の皆さんが、軒並みお面を見てビクッ、としてるからな。
今朝食事を持ってきてくれた看護師なんか、びっくりして悲鳴あげてたレベル。
そりゃこんなお面を見たら、誰だってビビるわ。
夜中に見たら、もっと恐ろしいからな。
本当にこれで怪我や病気が治るのか、甚だ疑問である。
折角ルヴィア嫁が持ってきてくれたから、感謝して飾っておくけどさ。


