The previous night of the world revolution7~P.D.~

「…」

ルヴィアは、まさかクマの目玉茶を飲まされていたとは思わなかったのか。

ティーカップを片手に、ぷるぷる震えていた。

その気持ちはよく分かる。

でも、お前は俺よりマシだろう。今日が初めてなんだから。

俺なんか昨日、知らずに、この目玉茶を一杯飲んだんだぞ。

そうと知っていれば、遠慮していたものを。

しかし。

「面白いですよね。シェルドニア王国の食べ物って」

ルレイアは平然と、クマの目玉茶を啜っていた。

お前は平気なのかよ。

相変わらずの図太さである。シェルドニア王国のゲテモノ料理にも全く屈する様子はない。

イナゴの佃煮とか、抵抗なく食べられるタイプ?

更に。

「ふゅ、フューニャ…。こ、これ普通に飲めるのか…?」

「?美味しいじゃないですか」

ルヴィア嫁も、全く動じることなく目玉茶を飲んでいる。

なんという肝の太い女性…と思ったが。

「前にお姉ちゃんが言ってたんです。シェルドニア王国には、クマの目玉を使ったお茶があって、美味しい上に万病に効く良いお茶なんだって」

成程。よく考えたらこの子、その華弦の妹なんだよな。

そりゃ動じない訳だ。

それどころか、事前に華弦から、クマの目玉茶なるものが存在することを知らされていたらしい。

存在を知っていても、実際に口にするとなると話は違うだろうに…。

味は確かに美味しいし、香りも素晴しいけど…。

…でも、目玉なんだろ?

…クマの。

平然と飲める方がおかしいよ。俺とルヴィアは間違ってない。

あんなに美味しいと思っていたお茶が、最早喉を通らなくなってしまった。