The previous night of the world revolution7~P.D.~

「まぁまぁ、立ち話もなんですし、座ってくださいよ。ポテチありますよ」

と、傍らのルレイアが見舞い客二人に椅子を勧めた。

椅子を勧めるのは良いけど、ポテチは勧めるなよ。

「あぁ、確かアリューシャさんが差し入れしたんですよね」

「知ってたのか…」

「はい。アリューシャさん、昨日嬉しそうに、『ルル公にポテチ持ってってあげたんだぜ!』って自慢して回ってましたから」

そんな下らないことを自慢されて、部下の皆は困っただろうな。

知るかよそんなこと。って皆思ったに違いない。

それでも一応相手は幹部だから、言うに言えなかったんだろうなぁ。

あの馬鹿アリューシャめ。

「たくさんありますから、何なら一袋と言わず三袋くらい持っていってください」

「いや、さすがにそんな…」

「遠慮してるんですか?じゃあ俺が選んで…。…はい、期間限定きなこもち味をあけましょう」

そんなポテチがあるのか。

世界は広い。

「あ、ありがとうございます…?」

思わず疑問形のルヴィアであった。

ごめんな、本当。何なら家に帰って処分してもらっても構わないから。

要らないかもしれないけど、もらっていってくれ。

「あのな、ルレイア…。それよりお茶。飲み物用意してやってくれ」

自分で動けたら自分で用意してあげたんだが、如何せんまだ脚が動かず。

情けないが、ルレイアに頼むしかない。

「はいはい、お任せください」

「あ、いえお構いなく。ルレイアさんにやらせる訳には。俺がやりますから」

ルヴィアはそう言って立ち上がりかけたが、俺がそれを制した。

「良いから。お前は、今日は客なんだから。ゆっくり座ってれば良いんだよ」

「ですが…」

「良いんだよ。ルレイアに何か仕事を与えないと、すぐベタベタしようとするんだから。丁度良いんだ」

「ちょっとルルシー。それどういう意味です?」

言葉通りの意味に決まってるだろうが。

「それに、今丁度良いお茶があるんですよ。ポテチに合うかは分かりませんけど、是非飲んでいってください」

と、ルレイア。

そう。昨日、ルレイアの部下であり、そこにいるルヴィア嫁の姉でもある華弦が、お見舞いにとお茶の箱を送ってくれたのだ。

俺も昨日飲んだけど、香りが良くて美味しかった。

折角だから、ルヴィア達にも振る舞おう。