The previous night of the world revolution7~P.D.~

「俺達は、あなた方が『M.T.S社』と取引し、レーザー銃を所有していることを黙っています。その代わり、今日ここに俺達がやって来た事実を、なかったことにしてもらいたい」

「…!」

馬鹿でも分かる理屈だろう?

そして、ブロテは甘ちゃんではあるが、馬鹿ではない。一応な。

だったら、どうするのが正解か分かっているはずだ。

「…選択の余地はなさそうだね」

「それはお互い様ですけどね」

「分かったよ。本意ではないけど…今回は、お互いそれで手打ちにしよう」

ブロテは非常に渋い顔で、どうやら本当に不本意であるらしい。

仕方ないな。他に選択肢はないんだから。

今回は、って何だよ。次回があるのか?

冗談じゃない。

「ブロテ…。本当に、それで良いのか?」

俺にぶっ飛ばされて、床でお昼寝していたブロテのお仲間が、のろのろと起き上がりながら聞いた。

おはようございます。よく寝てましたね。

「セルニア…。仕方ないよ。『青薔薇連合会』と事を構えるのは本意じゃないし、それに…彼らの言う通り、レーザー兵器の存在をバラされたくもない」

「…そうだな」

バレたら困るようなことをするからだ。馬鹿だな。

「でも…信用出来るの?『青薔薇連合会』の言うことなんて…」

と、別の自警団員…ユナとかいう女が口を挟んできた。

おい。失礼にも程があるだろ。

この俺が信用出来ないなんて、何様のつもりだ?

「心配しなくても、一度交わした契約は守りますよ。『青薔薇連合会』の面子に懸けてね」

これは嘘ではない。いや、俺は普段から素直な良い子だから、嘘はつかないけど。

そちらが契約を反故にしない限りは、こちらも何もしないよ。

「俺が信用出来なくても、『青薔薇連合会』の看板は信用しても良いと思いますけど?」

「…分かった。信じるよ」

自分で言っといてなんだが、ちょろい女だな。

性善説を信じるタイプなのかもしれない。