The previous night of the world revolution7~P.D.~

「だけど…この度『青薔薇連合会』が傘下組織を壊滅させたと聞いて…抑止力となる切り札を得る為に…」

と、ブロテは続けた。

ふーん。

「苦肉の策で、『M.T.S社』との取引を進めた…って訳ですか」

「…」

全てを観念したように、ブロテは頷いた。

ぐちゃぐちゃ言い訳をしないのは、素直にブロテの長所だと思う。

それどころか。

「…私が悪かった。いくら焦ってたからって…やっぱり、マフィアの武器になんて手を出すべきじゃなかった」

今更、『M.T.S社』と取引をしてしまったことを反省しているようだった。

殊勝で結構だが、おせーよ。

「…この際、『M.T.S社』と取引していた事実はどうでも良い。お前達が勝手に反省していれば良い」

ルルシーはそう言って、ブロテに銃口を向けた。

「『M.T.S社』のリーダーと幹部の身柄を差し出せ。そうすれば、お前達がマフィアと取引していたことは黙っておいて…」

「…それはどういう意味?」

「…は?」

ブロテは困惑した表情で、ついでにルルシーもブロテに釣られて、困り顔であった。

何その顔。可愛い。

「身柄を差し出せって言われても…。『M.T.S社』のリーダーと幹部が何処にいるのかなんて、私も知らない」

あぁ、やっぱりそうだったか。

「は…!?お前達が匿ってるんだろう?」

「えっ…?」

ブロテもびっくり。

「君達が『M.T.S社』を襲撃して…そのとき捕らえたんじゃなかったの?」

「え、いや…。そのときはあいつらが逃げて…」
 
「取り逃したのか」

「…」

そうですよ。どうも申し訳ありませんね。

「何故そのような勘違いをしているのか知らないが…。私達は『M.T.S社』のリーダーと幹部を匿ってなんかいない。武器を購入して以降、『M.T.S社』とは連絡も取っていない」

ブロテはきっぱりとそう言った。

自分の恥を、愚かな行いを素直に認めたブロテが。

この期に及んで、マフィアを庇うような下手くそな嘘を付くはずがなかった。