The previous night of the world revolution7~P.D.~

もしかして、悪い方の予感が当たってしまったか?

「お前、この期に及んで…しらばっくれるな!」

プッツンしてしまったルルシーは、ブロテに向かって怒鳴りつけた。

しかし、怒鳴られたブロテの方はというと。

何故ルルシーが怒っているのか、さっぱり分からない様子。

「しらばっくれてなんかない。どういう意味?『M.T.S社』は『青薔薇連合会』が壊滅させた。そうだろう?」

そうだけど。

「それが私達と、どう関係があるんだ?」

…どう…って言われても。

それはこっちが聞きたい。

「まだ白々しいことを…。…お前ら、その武器を何処から手に入れたんだ?まさかゴミ置き場から拾ってきたとは言わないだろうな?」

と、喧嘩腰のルルシー。

こんなものが落ちているゴミ置き場…。

是非とも行ってみたい。他にも掘り出し物があるかもしれない。

「そのレーザー銃が、『M.T.S社』が売買している新兵器なんだろう」

「あぁ、そうだよ。これは彼ら…『M.T.S社』から購入したものだ」

ブロテははっきりとそう認めた。

…ほう。提供してもらったのではなく…購入したのか。

じゃあやっぱり、帝国自警団が『M.T.S社』を匿っているという情報は…。

「いつ購入した?」

「どうしてそんなことを聞くんだ?」

「…質問に答えろ。問い返して良い立場じゃないって、痛い目を見ないと分からないか?」

「…」

そう言って、ルルシーはブロテに拳銃を向けた。

ルルシーが相手を脅迫するの、珍しいですよね。

…え?俺?

俺は他人を脅迫なんてしませんよ。いつだって平和的に「お話」してるだけです。

「言っておくが、ここに来てるのは俺とルレイアだけじゃないぞ。後ろには他の幹部達もいる」

って、ルルシー。それバラしたら意味がないのでは?

「切り札もこの通り全滅させた。この期に及んで、俺達を武力で抑えられるなんて思うなよ」

「…」

ルルシーの脅しに、ブロテは悔しそうに口を噤んだ。

ここは帝国自警団の本部。俺達にとってはアウェーである。

しかし、虎の子であるレーザー銃を無効化してしまった以上。

自警団の雑兵など、いくら束になってかかってきても、物の数ではない。

ルルシーの言う通り、いざとなったら後方でルリシヤとルーチェスが待機してくれてるからな。
 
彼らも合流したら、最早俺達は誰にも止められない。

帝国騎士団の隊長連中をまとめて連れてきて、ようやくまともな勝負が出来る、ってところか?

少なくとも、軟弱な帝国自警団では俺達を止められないよ。

残念だったな。さっきも言ったが、相手が悪かった。

まさか、このルティス帝国でもっとも敵に回してはいけない相手を、敵に回してしまうとは。

その時点で、お前達は「詰み」なんだよ。

分かったら、さっさと観念して自白することだ。

「さぁ、質問に答えろ。いつレーザー銃を手に入れた?」

「…君達が味方組織を奇襲した…と聞いた直後だよ」

ふむ。

ようやく、素直に喋る気になってくれたようだ。

実に平和的なお喋りですね。