The previous night of the world revolution7~P.D.~

はい、これでレーザー兵器全員無効化。

いやぁ儚い。

死神の鎌を前に、何者も敵わないということだな。

厄介加減で言うと、『白亜の塔』とかの方がよっぽど面倒だったぞ。

あれは精神攻撃だったからな。

折角なので、俺は床に転がっているレーザー銃を拾ってみた。

ほう、見た目より重いな。

「見てくださいルルシー。これ、面白いですよ」

「面白くはないだろ…」

「えい」

「あ、おいコラ」

玩具を手にしたら、使ってみたくなるのが人の性。

レーザー銃を構え、見様見真似で引き金を引いてみた。

え?何に向かって撃ったのかって?

ブロテに決まってるだろ。

「っ…!」

自分達の切り札が、他人の手に回ることは考えてなかっただろう?

ブロテは咄嗟に床に転がって、レーザー光線を避けた。

ほらな。不意を突いたというのに、ブロテでさえ咄嗟に躱している。

このレーザー光線がいかに「当たらない」か、分かるというものだろう。

しかも、実際にこの手で撃ってみて分かったけど。

この銃、一発撃つだけでも結構反動が来る。

成程、レーザー銃を使っていた自警団員が、揃って腰が引けていたのはこれが理由か。

斬新な発想で面白いし、確かに初見だと不意を突かれる。

が、種明かしをしてみればこの程度だ。

実用性に乏しい、って奴だな。

続けざまに、ブロテに向かって何度も引き金を引いてみた。

しかし、ブロテはそのことごとくを、すんでのところで躱していた。

ブロテにすら避けられるんだから、俺に当たるはずがない。

もう飽きた。

俺はレーザー銃をポイッ、と空中に放り投げ。

鎌を一振りして、銃を一刀両断してやった。

はい、これでおしまい。

儚いもんだな。

「こんなもんですか、切り札は。それとも、他にも何かあるんですか?」

「…」

血が出るほど強く唇を噛み締めている、このブロテの表情を見たところ。

どうやら、他に切り札はないらしい。

こんなお粗末な武器が、俺に対する切り札になり得る…と、考えていたのがそもそもの間違いだったな。

まぁ、レーザー銃なんて未知の武器を手に入れたら、それだけで戦場を左右出来ると思い込むのも無理はないが。

そういうことは、実際に切り札の切れ味を確かめてからやるべきだ。

一つ教訓を得たな。