The previous night of the world revolution7~P.D.~

ご自慢の新武器が、何故ことごとく避けられるのか。

理由は色々ありますけど。

まず一つ目。

「あなた達、それを使うのは今日が初めてなんでしょう?」

「えっ…」

俺は自警団員の女に肉薄した。

レーザー兵器があるのに考えなしに突っ込んで大丈夫なのか、って?

こんな玩具、何発撃とうと当たりませんよ。

「腰が引けてますよ。ついでに目が泳いでる。それじゃあ撃つ前から、何処を狙っているのかお見通しです」

理由一つ目。新武器を扱う自警団員の経験値が低過ぎる。

新しい武器を持ち出して戦うなら、それなりの訓練を積んでからにしないと。

折角の素敵な玩具を、扱いこなせていないなら意味がない。

それから、理由二つ目。

「この武器には、致命的な弱点がある。気づいてます?」

「っ、弱点っ…?」

気づいてなさそうだな。その様子だと。

俺は自警団員がレーザー光線を発射する前に、レーザー兵器を蹴り飛ばし。

ついでに自警団員の頭に向かって、鎌の柄で思いっきりぶん殴った。

低い呻き声をあげて、床にぶっ倒れていた。

倒れてて良いんで、折角だから聞いてくださいよ。

「まず、レーザーの軌道が非常に読みやすいという点。何せ直線でしか攻撃出来ないんだから、引き金を引いた瞬間半歩横に避ければ、それで避けられるんですよね」

ただでさえ照準が読みやすい武器なのに、扱う者が慣れていないのだから、余計分かりやすい。

威力は凄まじいのだろうけど、でもどんなに凄い武器でも、当たらないなら意味がない。

ただの宝の持ち腐れ。

それから、はのレーザー兵器の致命的な弱点はもう一つ。

「引き金を引いてから発射までのタイムラグ。0.7〜0.8秒ってところですか?」

「…!」

拳銃みたいに、引き金を引いてすぐ弾が飛び出るんじゃない。

引き金を引き、エネルギーを充填して、それから射出する仕組みになっているらしい。

そのせいで、引き金を引いてから、実際にレーザーが射出されるまでにタイムラグか生じる。

避けるのに充分な時間を与えてくれる。

それじゃあ何発撃っても当たらない。一回この弱点に気づいてしまえば。

そして、最たる理由三つ目は。




「…相手が俺だからですよ。残念でしたね」

最後に残った、ブロテのお仲間(笑)の腹に膝蹴りを食らわせると。

一瞬で意識を失い、その場に崩れ落ちた。