The previous night of the world revolution7~P.D.~

いやはや、とても面白い。

そういや、『M.T.S社』の武器庫に単身乗り込んだルーチェスの胸に、焦げた穴が空いていたっけ。

あれはもしかして、このレーザー兵器を食らった結果なのだろうか。

見たところ、このレーザー兵器。床を一瞬で焦がすほどの威力はあるようだが。

そんなレーザー光線を食らって、何で服に穴が空いただけで、ルーチェス本人はピンピンしていたのか。

その謎は残るが、しかし今はそれどころではないな。

生まれて初めてのレーザー兵器を前に、俺とルルシーは。

さすがにこれは分が悪い、とにかく一度退いて、アイズ達に相談して作戦の立て直しを…。

…すると思いました?この俺が。

とんでもない。

「…一応聞いておくが、ルレイア。撤退する気は…」

「え?ある訳ないじゃないですか」

「…まぁ、お前はそう言うと思ってたよ」

折角、敵の新武器を相手に跳梁跋扈するチャンスなんですよ?

撤退して作戦の練り直し…なんて、そんなつまらないことしたくないでしょう。

初見だからこそ味わえる新鮮感というものを、存分に体験させてもらいましょう。

いやぁ、胸が高鳴る。

俺は鎌を構え直し、ブロテと向き合った。

「別に気遣いは要りませんよ。当てたきゃ当ててください」

俺、生まれてこの方レーザー攻撃なんか食らったことがないし。

当たってみるとどんな感じなのか、味わわせてくれても良いんですよ?

いや、普通に避ける気満々ですけどね。

当てられるものなら当ててみろ。

「…本気?この武器を舐めてるの?」

「そっちこそ、正気ですか?」

レーザー兵器なんて素敵な玩具をもらって、無邪気にはしゃいでるのかもしれないけど。

所詮はこれも、一つの武器に過ぎない。これだけで戦況を左右することは出来ない。

俺達を一網打尽にしたいなら、核爆弾の一つでも持ってくるんだな。

「この程度で、俺達を止められるとでも?…新しい玩具をもらって嬉しいのは分かりますけど。ちょっとくらい、頭ってものを使ってみてはどうです?」

挑発していくスタイル。

ブロテは、あからさまな挑発に乗るタイプではないが。

しかし、大切な仲間(笑)を二人もぶっ飛ばされ。

ついでにご自慢の新武器までコケにされて、さすがに苛立っていたのか。

「…そう。じゃあ…宣言通り、もう容赦はしない」

珍しく、覚悟を決めたようだ。

そう、そう来なくては。

遊び甲斐がないというものだろう?