何だか、突然人数が増えたんですけど。
別に人数差などどうでも良い。相手が百人だろうが千人だろうが、鎌の一振りで薙ぎ払える。
…しかし。
人数差のことより、俺が気になったのは。
現れた自警団員が揃って持っている、無骨なショットガンみたいな銃だった。
俺の専門は鎌なので、アリューシャみたいに銃には詳しくないのだが。
これでもマフィアの端くれ、あらゆる武器を目にしてきた。
が、そのショットガンもどきは…これまでに見たことがなかった。
何だ、あれは。
「…あの銃は…」
ルルシーも気づいたようで、怪訝な顔でショットガンもどきを睨んでいた。
ルルシーも初めて見るらしい。
『青薔薇連合会』の幹部として、武器には詳しいはずなんだがな。
そんな俺達でも初見ってことは、その銃は帝国自警団が独自に開発、製造しているものである可能性がある。
帝国自警団が独自に武器を作ってる、なんて話は聞いたこともないがな。
それより、もっと現実的な可能性がある。
あの見覚えのない、ショットガンもどきこそが。
俺達が追っている『M.T.S社』が所有する、謎の新兵器である…という可能性だ。
…成程。
帝国自警団が何故、マフィアである『M.T.S社』の秘密武器を所有しているのか。
その答えは明白である。
じゃあ、『M.T.S社』のリーダーと幹部数名を、帝国自警団が匿っているという話は本当なのだ。
…多分。
匿ってくれるお礼として、あの新兵器を帝国自警団に献上した。
そう考えれば辻褄は合う。
…が、納得は出来ない。
仮にも帝国の正義を謳う自警団が、マフィアの武器を受け取り、そのマフィアを匿うような真似をするだろうか。
ブロテが甘ちゃんな性格であるのを良いことに、上手く言いくるめたのだろうか?
それにしても、そんな理由で『M.T.S社』のリーダーを匿うなんて。
いくらなんでも、ブロテが馬鹿過ぎるだろう。
ブロテは確かに甘ちゃんだし、すぐ騙されて適当な噂を本気にするけども。
しかし、まるっきり馬鹿って訳ではないはず。
仮にも、アシスファルト帝国に十年近くも留学していたという実績はあるのだから。
シェルドニア王国のハゲサシャに比べれば、脳みその容量は多いはず。
そんなブロテが、何故『M.T.S社』の口車に乗るようなことに…。
…やはり納得出来ない。
「…あなた達、何故そんな武器を、」
と、俺が尋ねようとしたら。
ブロテは再び、無言で片手を上げた。
すると、ブロテを守るように立ち並んだ自警団員の皆さんが、一斉にショットガンもどきの引き金を引いた。
射出されたのが弾丸だったなら、鎌を一振りして弾き返してやるつもりだった。
しかし、それは出来なかった。
聞き慣れた拳銃の発砲音とは、似ても似つかない。
ジュッ、と焦げるような音がして。
ショットガンもどきの銃口から、透明な光線のようなものが射出され、俺とルルシーの足元に放たれた。
俺達は咄嗟に後ろに飛び退いて、その謎光線を避けた。
真っ赤に焼け焦げた床から、プスプスと黒く細い煙が立ち昇っていた。
さしもの俺も、これには少々意表を突かれた。
ルルシーなんて、驚愕に目を見開いている。
…成程、そういうことでしたか。
これが、『M.T.S社』が所有し、『霧塵会』相手に売買していた謎の新兵器か。
別に人数差などどうでも良い。相手が百人だろうが千人だろうが、鎌の一振りで薙ぎ払える。
…しかし。
人数差のことより、俺が気になったのは。
現れた自警団員が揃って持っている、無骨なショットガンみたいな銃だった。
俺の専門は鎌なので、アリューシャみたいに銃には詳しくないのだが。
これでもマフィアの端くれ、あらゆる武器を目にしてきた。
が、そのショットガンもどきは…これまでに見たことがなかった。
何だ、あれは。
「…あの銃は…」
ルルシーも気づいたようで、怪訝な顔でショットガンもどきを睨んでいた。
ルルシーも初めて見るらしい。
『青薔薇連合会』の幹部として、武器には詳しいはずなんだがな。
そんな俺達でも初見ってことは、その銃は帝国自警団が独自に開発、製造しているものである可能性がある。
帝国自警団が独自に武器を作ってる、なんて話は聞いたこともないがな。
それより、もっと現実的な可能性がある。
あの見覚えのない、ショットガンもどきこそが。
俺達が追っている『M.T.S社』が所有する、謎の新兵器である…という可能性だ。
…成程。
帝国自警団が何故、マフィアである『M.T.S社』の秘密武器を所有しているのか。
その答えは明白である。
じゃあ、『M.T.S社』のリーダーと幹部数名を、帝国自警団が匿っているという話は本当なのだ。
…多分。
匿ってくれるお礼として、あの新兵器を帝国自警団に献上した。
そう考えれば辻褄は合う。
…が、納得は出来ない。
仮にも帝国の正義を謳う自警団が、マフィアの武器を受け取り、そのマフィアを匿うような真似をするだろうか。
ブロテが甘ちゃんな性格であるのを良いことに、上手く言いくるめたのだろうか?
それにしても、そんな理由で『M.T.S社』のリーダーを匿うなんて。
いくらなんでも、ブロテが馬鹿過ぎるだろう。
ブロテは確かに甘ちゃんだし、すぐ騙されて適当な噂を本気にするけども。
しかし、まるっきり馬鹿って訳ではないはず。
仮にも、アシスファルト帝国に十年近くも留学していたという実績はあるのだから。
シェルドニア王国のハゲサシャに比べれば、脳みその容量は多いはず。
そんなブロテが、何故『M.T.S社』の口車に乗るようなことに…。
…やはり納得出来ない。
「…あなた達、何故そんな武器を、」
と、俺が尋ねようとしたら。
ブロテは再び、無言で片手を上げた。
すると、ブロテを守るように立ち並んだ自警団員の皆さんが、一斉にショットガンもどきの引き金を引いた。
射出されたのが弾丸だったなら、鎌を一振りして弾き返してやるつもりだった。
しかし、それは出来なかった。
聞き慣れた拳銃の発砲音とは、似ても似つかない。
ジュッ、と焦げるような音がして。
ショットガンもどきの銃口から、透明な光線のようなものが射出され、俺とルルシーの足元に放たれた。
俺達は咄嗟に後ろに飛び退いて、その謎光線を避けた。
真っ赤に焼け焦げた床から、プスプスと黒く細い煙が立ち昇っていた。
さしもの俺も、これには少々意表を突かれた。
ルルシーなんて、驚愕に目を見開いている。
…成程、そういうことでしたか。
これが、『M.T.S社』が所有し、『霧塵会』相手に売買していた謎の新兵器か。


