The previous night of the world revolution7~P.D.~

「…知った風な口を聞かないでもらいたいですね」

アシスファルト帝国で、悠々自適に10年も留学してたような奴が。

俺や、俺達のような世界の最下層にいる人間が味わってきたモノを、何も知らない奴が。

「他人に痛みを押し付けるなと言うなら、他人の痛みを勝手に語るな」

お前のものじゃないだろう。勝手に自分のもののように語るな。図々しい。

何様のつもりだ。

更に、ルルシーも。

「…お前が俺達をどう思おうと勝手だが、ルレイアの心の中に土足で踏み入ることは許さない」

珍しく、殺気を滲ませた冷たい声だった。

その声もとても魅力的。

俺とルルシーの気迫に気圧されてか、ブロテは口を噤んで一歩引いた。

しかし、そこの腰抜け女と違って、怯んで身体が固まらないだけ度胸がある。

「…そうだね、それは悪かった…。だけど私にも、守るべき大切なものがあるんだ。だから、仲間を侮辱するのはやめて」

その腰抜けが、ブロテの守るべき大切なもの、だって?

『M.T.S社』のリーダーや、奴らの新兵器とやらも?

笑わせてくれる。

「…理解出来ませんね」

下らない大切なお仲間を守りたい。それはまぁ良い。

いくら無能な役立たずでも、ブロテの大事なお友達(笑)なら、守る価値があるものなんだろう。

だが、何故それが『M.T.S社』を庇うことに繋がるんだ?

そもそも本当にここに『M.T.S社』のリーダー一味がいるのか、俺は未だにそこを尋ねさせてもらえな、

「それなら仕方ないね」

…あ?

「君達が私の仲間を傷つけると言うなら…私も、もう容赦はしない」

まるで、これまで容赦していたかのような言い方。

…ほう。

随分と俺を…甘く見ていたようだな?

「容赦しないなら、どうするんですか?」

「…こうするまでだよ」

ブロテはスッと片手を上げた。

すると、途端に。

ブロテの周りに、数人の自警団員が現れた。