The previous night of the world revolution7~P.D.~

「それなら、何故今こんなことになってる?如何なる理由があろうとも、ルレイア・ティシェリーが仲間を殺したのは事実だ」

「…分かってるよ」

起きてしまったことは変えられない。

味方であっても、敵とみなされれば容赦なく殺される…。

それがいかに残虐な行為であるか、私だって分からない訳じゃない…。

「何故、奴らに慈悲をくれてやる理由がある?今は泳がされているだけで、俺達だっていつ、ルレイア・ティシェリーの手にかかるか分からないのに」

「そんな…それはいくらなんでも、考え過ぎなんじゃないの?」

『青薔薇連合会』が私達帝国自警団に手を出す理由が、何処にある?

…しかし。

「考え過ぎなもんか。帝国自警団は一度、ルレイアを強制的に連行して、およそ一ヶ月の間拘束していた。…これだけで、奴らの恨みを買う理由になる」

「…」

「何より、『襲われる理由はない』と油断しているところに噛みつくのが、奴らの常套手段なんだ。帝国騎士団と帝国自警団の間には不干渉の原則もある。もし『青薔薇連合会』に襲撃されても、助けてくれる人はいない」

…そうかもしれない。

帝国自警団とはいえ、『青薔薇連合会』に襲われたら、ただでは済まない…。

そして不干渉の原則がある限り、余程のことがなければ帝国騎士団は私達の為に動かない。

「奴らがいつ襲ってきても良いように、自衛の術は必要だ。絶対に」

「…何が言いたいの?」

「…以前持ちかけられた『あの話』…受けるべきなのではないか、と言いたいんだ」

「…!」

「あの話」って…。

まさか、あんな夢物語みたいなモノを…本当に…?

「冗談でしょ…?」

「俺は至って真面目だし、本気だ」

「彼」の表情は真剣そのもので、冗談で言っているのではないことは明白だった。

…更に。

「…私も、一理あると思うな」

「…ユナ…」

ユナもまた、「彼」の意見に賛成した。