The previous night of the world revolution7~P.D.~

「『青薔薇連合会』に利益をもたらすことの出来ない組織、あるいは『青薔薇連合会』に反抗的な態度を取る者は、容赦なく潰される…。それを他組織に見せつける為に」

「…だから…見せしめ…」

そう思えば、確かに納得出来る。

『青薔薇連合会』の他の下部組織は、容赦なく潰された『霧塵会』と『M.T.S社』を見て。

自分達も二の舞いになってはいけないと、きっと危機感を募らせているだろう。

そうやって恐怖を煽り、更に『青薔薇連合会』に多大な貢献をするように、下部組織に強制する…。

…確かに、それがマフィアの…『青薔薇連合会』の…。

そして、ルレイア・ティシェリー卿のやり方なのかもしれない。

恐ろしい…。考えるだけでおぞましい。

味方なんじゃないのか?例え利害が一致しなくても…。

「あの男のやることだ。これが」

「彼」は嫌悪を滲ませながらそう言った。

反論出来る者はいなかった。

ルレイア卿が何を考えているのか、何故このような暴挙に出たのか…。

本当のところは、ルレイア卿本人でしか分からないことだ。

「…これで分かっただろう?『青薔薇連合会』は危険だ」

「それは…」

確かに分かる…けど。

「味方でさえ容赦なく惨殺する。彼らに…ルレイア・ティシェリーに正義などない。奴は人の言葉が通じない、ケダモノなんだ」

「そんな…ことはない。ちゃんと話は出来たよ」

言葉が通じないケダモノ…そんなことなかった。

大体、彼をケダモノにしたのは…彼を捨てた帝国騎士団と、そんな彼を助けられなかった帝国自警団だ。

私達が本来行うべき正義を行っていれば、彼はケダモノにならずに済んだはず。

…ルレイア卿はケダモノなどではない。人だ。

恐ろしいかもしれないけど、彼だって人なのだ。

言葉が通じないなんてことはない。決して。