セカイさんと二人で、りんごと紅茶のケーキを食べた後。
僕はもう一つのケーキを、お隣に持っていった。
「こんにちは、ルヴィアさん。あ、もうこんばんは、の時間でしたね」
「…ルーチェスさん…!」
僕の顔を見て、ルヴィアさんは目を見開いていた。
何かついてます?
そんな見惚れるほど男前ですか?
「良かった…。意識が戻ったとは聞いていましたけど…元気そうで…」
「えぇ、ピンピンしてますよ」
「…ですが、その…ルルシーさんから聞きました。昨日の記憶がないって…」
「そうなんですよ」
不思議ですよねぇ。一体何があったのか…。
全然覚えはないんだけど、ついでに全然危機感もない。
「まさか…『M.T.S社』の所有する新兵器の影響を…」
「さぁ、どうなんでしょう?今のところ、記憶がすっ飛んでいる以外におかしいところはないので…」
…別に根拠がある訳じゃないが。
多分これは、今回の『M.T.S社』襲撃の件とは別件ですよ。
そんな気がする。
だから無害だ。心配する必要はない。
僕はそう思うし、多分ルレイア師匠も、ルリシヤさんも同意見だと思う。
さっきも言った通り、直感以外の根拠が何もないから言えないだけで。
僕は全く心配していない。
そういうことだってありますよ。世界は広いんだから。
「大丈夫ですから、心配しないでください」
「…そうですか…。…あの、ルレイアさんやルルシーさんに比べれば、俺なんて全然頼りないですけど…。俺に出来ることがあれば、何でも言ってください」
それは有り難い申し出だ。
うっかり惚れてしまいそうになっちゃいましたよ。危ない危ない。
「ありがとうございます。もう既に充分ですよ」
「いえ、そんな…」
「昨日、セカイさんを上手く誤魔化してくれたそうで」
「…誤魔化しきれてませんけどね…。むしろ余計な心配を煽ってしまったようで…」
そうだろうか?
無連絡であるよりも、ずっと安心したと思うけど。
「ありがとうございました。これ、お礼じゃないですけど…」
僕は、持参したケーキの紙袋を差し出した。
「え?いや、そんな。俺はルルシーさんの指示に従っただけで…」
「まぁまぁ、そう言わず。美味しいですよ、このケーキ」
「そんな…。当たり前のことをしただけです。お礼なんてもらう訳には…」
「フューニャさんに食べさせてあげてくださいよ。きっと喜びますよ」
「有り難く、頂戴させて頂きます」
チョロい。
でも、受け取ってもらえて何より。
持ってきた甲斐があるというものだ。
僕はもう一つのケーキを、お隣に持っていった。
「こんにちは、ルヴィアさん。あ、もうこんばんは、の時間でしたね」
「…ルーチェスさん…!」
僕の顔を見て、ルヴィアさんは目を見開いていた。
何かついてます?
そんな見惚れるほど男前ですか?
「良かった…。意識が戻ったとは聞いていましたけど…元気そうで…」
「えぇ、ピンピンしてますよ」
「…ですが、その…ルルシーさんから聞きました。昨日の記憶がないって…」
「そうなんですよ」
不思議ですよねぇ。一体何があったのか…。
全然覚えはないんだけど、ついでに全然危機感もない。
「まさか…『M.T.S社』の所有する新兵器の影響を…」
「さぁ、どうなんでしょう?今のところ、記憶がすっ飛んでいる以外におかしいところはないので…」
…別に根拠がある訳じゃないが。
多分これは、今回の『M.T.S社』襲撃の件とは別件ですよ。
そんな気がする。
だから無害だ。心配する必要はない。
僕はそう思うし、多分ルレイア師匠も、ルリシヤさんも同意見だと思う。
さっきも言った通り、直感以外の根拠が何もないから言えないだけで。
僕は全く心配していない。
そういうことだってありますよ。世界は広いんだから。
「大丈夫ですから、心配しないでください」
「…そうですか…。…あの、ルレイアさんやルルシーさんに比べれば、俺なんて全然頼りないですけど…。俺に出来ることがあれば、何でも言ってください」
それは有り難い申し出だ。
うっかり惚れてしまいそうになっちゃいましたよ。危ない危ない。
「ありがとうございます。もう既に充分ですよ」
「いえ、そんな…」
「昨日、セカイさんを上手く誤魔化してくれたそうで」
「…誤魔化しきれてませんけどね…。むしろ余計な心配を煽ってしまったようで…」
そうだろうか?
無連絡であるよりも、ずっと安心したと思うけど。
「ありがとうございました。これ、お礼じゃないですけど…」
僕は、持参したケーキの紙袋を差し出した。
「え?いや、そんな。俺はルルシーさんの指示に従っただけで…」
「まぁまぁ、そう言わず。美味しいですよ、このケーキ」
「そんな…。当たり前のことをしただけです。お礼なんてもらう訳には…」
「フューニャさんに食べさせてあげてくださいよ。きっと喜びますよ」
「有り難く、頂戴させて頂きます」
チョロい。
でも、受け取ってもらえて何より。
持ってきた甲斐があるというものだ。


