The previous night of the world revolution7~P.D.~

「…やっぱり、何があったのか詳しくは教えてもらえないの?」

「…残念ながら…」

いや、寝てただけなんで、別に教えても構わないんだけど。

でも…理由なく意識を失っていた、と言ったら、それはそれで余計な心配を招きそうだ。

おまけに記憶喪失、と来た。

自分でも、何で丸一日記憶が吹っ飛んでいたのかさっぱり分からないのだ。

不思議なことがあるものだ。

「そっかー…」

「でも、全く心配は要りませんよ。別に何処も怪我してないし、熱もないので」

身体は至って元気だ。ピンピンしてる。

何なら、エロ本読んでムラムラするくらい元気。

「ほんとに?怪我してないの?」

「えぇ、全く」

「裸になって確認しても大丈夫?」

「あ、はい。後でベッドでお見せしますよ」

「それなら安心だね!」

そうですね。

「じゃ、早速ケーキを食べるとしましょうか。僕が切り分けるので」

「やったぁ!食べる食べる!」

セカイお姉ちゃんが嬉しそうで良かった。

この笑顔が眩しい。とても眩しい。

「あと、そのケーキ、ちょっとお隣にお裾分けしても良い?」

と、セカイさんが聞いてきた。

「昨日夕飯分けてもらったんだよ。天ぷら美味しかったー」

そうだったのか。

昨日、ルヴィアさんがセカイさんに上手く言い訳してくれたんだっけ。

そのお礼は、きちんとしておくべきだろう。

ご近所付き合いは大切である。

「大丈夫ですよ。ハナからお隣にもお裾分けするつもりで、二つ買ってきてますから」

その点は抜かりない、ってね。

「おぉ、さすがルーチェス君!」

「セカイお姉ちゃんは遠慮なく、好きなだけケーキを食べてください」

「おうよ、任せて!」

ぐっ、と親指を立て、満面笑みのセカイさんであった。