前回までのあらすじⅢ



『シュレディンガーの猫』との抗争も終わり、『青薔薇連合会』に平和が訪れたのも束の間。

隣国箱庭帝国では、閉鎖された国を解放する為、武力を以て立ち上がった若者がいた。

若者の名は、憲兵局長官の息子、ルアリス・ドール・エーレンフェルト。

彼は『青薔薇解放戦線』と名乗る革命軍を率い、憲兵局と戦う為の助力を得に、ルティス帝国貴族フランベルジュ・ティターニアの手引きでルティス帝国にやって来た。

ルアリスは帝国騎士団と『青薔薇連合会』に使者を送り、助力を乞うが、ルレイアは革命軍との関わりを拒否する。

しかし、その後ルティス帝国に入ってきた憲兵局の追っ手が、革命に協力するルティス帝国民の命を狙い始める。

『青薔薇連合会』は革命には協力していなかったが、ルアリスが使者を送ったことにより「革命軍と接触した」と判断され、憲兵局の追っ手がルルシーを暗殺しようとする。

ルルシーを傷つけられたことに激怒したルレイアは、ルルシーを狙ったのが憲兵局だと知るや、革命軍に協力し、憲兵局に復讐することを決める。

ルレイアは、革命軍を指揮するには未熟だったルアリスを自分流に教え導き、ルアリスと、彼の率いる革命軍も徐々に成長していった。

その途中、憲兵局から和平交渉の申し入れがあり、ルアリスは罠と知りつつも故郷に戻るが、やはり憲兵局に捕らえられてしまう。

しかし、ルアリスは憲兵局の中に潜んでいたスパイ…『シュレディンガーの猫』の生き残りであるカセイ・リーシュエンタールの手引きで、ルティス帝国に帰される。

その後、ついに憲兵局との戦いが始まった。

『青薔薇連合会』が協力したこともあり、憲兵局はなすすべなく降伏した。

こうして、ルアリスは祖国を解放した革命軍の英雄として語られることになった。



しかし、箱庭帝国の革命は、その後ルティス帝国に波乱を巻き起こすことになる。

革命の余韻も冷めやらぬ、ある夜のこと。

いつも通りルルシーの家で夕食を共にし、帰宅していたルレイアの身に、暗殺者が迫る。

ルレイアに匹敵するほどの力を持ったその男は、ルニキス・エリステラと名乗り、ルレイアを暗殺しようとした翌日、自ら『青薔薇連合会』に出頭してきた。

ルニキスは『セント・ニュクス』の元リーダーだったが、組織を追われて転職する為にルレイアを襲い、『青薔薇連合会』の幹部になることを求めた。

ルルシーは反対したが、ルレイアがこれを後押しし、ルニキス…本名ルリシヤ・クロータスは『青薔薇連合会』六人目の幹部となった。

しばらくは、その出自と過去を隠していたルリシヤだったか、やがて『セント・ニュクス』が『青薔薇連合会』に宣戦布告してきたことにより、状況が一変する。

彼はかつて、クレマティス家という貴族の出身だったが、優秀過ぎた為に兄に疎まれ、貴族権を剥奪されてしまう。

その後親友となるグリーシュ・ベルスターと出会い、二人で『セント・ニュクス』を立ち上げたが、グリーシュは『愛国清上会』と名乗る謎の組織にそそのかされ、ルリシヤを裏切り、組織から追放する。

そしてグリーシュは『愛国清上会』に利用されるままに、禁止されている化学兵器を製造、使用してしまう。

この事態に、『青薔薇連合会』と帝国騎士団は『セント・ニュクス』を討伐することを決意する。

頑なに拠点の在処を隠す『セント・ニュクス』だが、ルレイアの機転によって無理矢理暴き出され、ついにルリシヤがグリーシュを討ち、両者の因縁に終止符を打つ。

アリューシャの恩人によって『愛国清上会』の拠点を突き止めたルレイア達は、帝国騎士団とも協力して、一気に襲撃を仕掛ける。

そこで『セント・ニュクス』に協力していた『愛国清上会』の正体が、憲兵局の残党であることを知る。

『愛国清上会』を討伐した後、ルリシヤは改めて『青薔薇連合会』の幹部として生きていくことを誓う。






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