「それから…。不甲斐ないが、『M.T.S社』のリーダーと、幹部数人に逃げられた」
と、ルルシーはアイズに報告した。
ルーチェスのことで頭いっぱいだったけど、一応そちらの報告もしないとな。
追撃すれば捕まえられる可能性も、無きにしもあらず…だったが。
あのときは、まずルーチェスを無事に連れて帰ることが優先だったから。
そこまで頭を回している余裕はなかった。
「新兵器とやらも…確認は出来なかった。済まん…」
「別に謝らなくて良いよ。想定内だし、逃げ足だけは速かったってことだね」
何せ、リーダーの影武者を用意していたくらいだからな。
何かあればすぐに逃げられるよう、日頃から備えは万全だったのだろう。
アイズの言う通り。逃げ足だけは速い連中だ。
「『M.T.S社』の本部は、今私の部下達が押さえてる。徹底的に捜索しているから、何か見つかるかもしれないよ」
「それに、捕虜も捕らえてあるしな。尋問すれば何か吐くかもしれない」
アイズとルリシヤがそう言って、俺達の失態をフォローしてくれた。
そう言いながら、本当はあまり期待していないことは、俺にも分かっている。
捕虜を捕まえたと言っても、捨て駒としてリーダーに置いていかれている連中なのだ。
本部に残されていた構成員をいくら拷問しても、俺達が望むような情報は何も持っていない可能性が高い。
やってみるだけやってみて、せめて少しでも情報を持っていないか、搾り上げても良い。
期待は薄いけどな。
「ルルシーとルレイアは、襲撃中、怪しい武器のようなものは見なかったの?」
シュノさんがそう尋ねた。
そうだな…。
「見ませんでしたね、目新しいものは何も…。ルルシーは?」
「俺もだ。『青薔薇連合会』でも使ってる、ありふれた武器ばかりだった」
ですよね。
何なら、俺の死神の鎌の方がよっぽど、珍しい武器だったと言えるだろう。
ルーチェスの両剣もな。
武器庫の中も覗いたけど、パッと見、怪しいものは何も見つけられなかった。
隠している可能性はあるが…。
「そっか…。そう簡単に尻尾を掴ませてはくれないってことだね」
「逃げた『M.T.S社』のリーダーは、何処に身を寄せてるんだろうな?」
「分からないね。秘密の隠れ場を用意しているのか…。それとも、友好組織に匿われているのか…」
逃げ道はしっかり確保していたんだから、逃亡先もきちんと用意されていることだろう。
今頃奴らはそこに辿り着いて、やれやれ逃げ切ったとばかりにホッと一息ついてるんだろう。
今度見つけたら、絶対に鎌の錆にしてやる。
「捜索は続けるよ。見つけられるかは怪しいけど」
「そうか」
「あとは…ルーチェスが目を覚ましてから、何か見たり聞いたりしてないか、確認してみないとね」
「…」
それは…もう少し先のことになりそうだな。
と、ルルシーはアイズに報告した。
ルーチェスのことで頭いっぱいだったけど、一応そちらの報告もしないとな。
追撃すれば捕まえられる可能性も、無きにしもあらず…だったが。
あのときは、まずルーチェスを無事に連れて帰ることが優先だったから。
そこまで頭を回している余裕はなかった。
「新兵器とやらも…確認は出来なかった。済まん…」
「別に謝らなくて良いよ。想定内だし、逃げ足だけは速かったってことだね」
何せ、リーダーの影武者を用意していたくらいだからな。
何かあればすぐに逃げられるよう、日頃から備えは万全だったのだろう。
アイズの言う通り。逃げ足だけは速い連中だ。
「『M.T.S社』の本部は、今私の部下達が押さえてる。徹底的に捜索しているから、何か見つかるかもしれないよ」
「それに、捕虜も捕らえてあるしな。尋問すれば何か吐くかもしれない」
アイズとルリシヤがそう言って、俺達の失態をフォローしてくれた。
そう言いながら、本当はあまり期待していないことは、俺にも分かっている。
捕虜を捕まえたと言っても、捨て駒としてリーダーに置いていかれている連中なのだ。
本部に残されていた構成員をいくら拷問しても、俺達が望むような情報は何も持っていない可能性が高い。
やってみるだけやってみて、せめて少しでも情報を持っていないか、搾り上げても良い。
期待は薄いけどな。
「ルルシーとルレイアは、襲撃中、怪しい武器のようなものは見なかったの?」
シュノさんがそう尋ねた。
そうだな…。
「見ませんでしたね、目新しいものは何も…。ルルシーは?」
「俺もだ。『青薔薇連合会』でも使ってる、ありふれた武器ばかりだった」
ですよね。
何なら、俺の死神の鎌の方がよっぽど、珍しい武器だったと言えるだろう。
ルーチェスの両剣もな。
武器庫の中も覗いたけど、パッと見、怪しいものは何も見つけられなかった。
隠している可能性はあるが…。
「そっか…。そう簡単に尻尾を掴ませてはくれないってことだね」
「逃げた『M.T.S社』のリーダーは、何処に身を寄せてるんだろうな?」
「分からないね。秘密の隠れ場を用意しているのか…。それとも、友好組織に匿われているのか…」
逃げ道はしっかり確保していたんだから、逃亡先もきちんと用意されていることだろう。
今頃奴らはそこに辿り着いて、やれやれ逃げ切ったとばかりにホッと一息ついてるんだろう。
今度見つけたら、絶対に鎌の錆にしてやる。
「捜索は続けるよ。見つけられるかは怪しいけど」
「そうか」
「あとは…ルーチェスが目を覚ましてから、何か見たり聞いたりしてないか、確認してみないとね」
「…」
それは…もう少し先のことになりそうだな。


