…誰だ、この女…。
俺が確認するまでもなく、膝を屈した敵構成員が、その女を見て口々に言った。
「り、リーダー…!」
「リーダー…」
リーダーだと?
「ルレイア…この女が…」
「リーダー…ってことですか」
この女がリーダー…。『M.T.S社』の…。
それにしてはどうも…。
「私が『M.T.S社』の首魁。投降します。部下の命を救ってください」
自称リーダーの女は、俺とルルシーに向かってそう言った。
随分と物分かりの良さそうなリーダーだ。
「よし…。武器を全て捨てろ。部下にも投降させるんだ」
ルルシーは、リーダーに拳銃を向けて指示した。
リーダーは素直に頷き、両手を上げたまま自分の部下に目をやった。
「武器を捨てて、降参するんだ。『青薔薇連合会』には敵わない。命だけでも…」
「…」
「…」
諦めきった声のリーダーの指示に、部下達は次々に武器を捨て、両手を上げた。
いや、リーダーが投降を呼びかけなくても、既に戦意喪失者は続出してたけど。
先程までの激戦は何処へやら、リーダーの指示一つで、あっという間に辺りは静まり返った。
…呆気ないものだ。
もう少し抵抗してくれても良かったのだが…。
…いや。
ともすれば…そう思わせるのが目的、とか?
「そこを動くなよ。全員だ」
ルルシーはそう言って、『M.T.S社』のリーダーに歩み寄り。
彼女の手に、きつく手錠をかけた。
…ルルシーに手錠をかけられるなんて…ちょっと羨ましいんですけど?
いや、むしろ俺は逆が良い。ルルシーに手錠を嵌められても良いけど、それより俺がルルシーに手錠を嵌めたい。
と、いう素敵な妄想に焦がれていると。
「…おい、おいルレイア」
「はい?」
「ボケッとしてないで、この女、早く連れて行くぞ」
「…あぁ、はい」
そうでしたね。
ルルシーと嬉し楽しいSMプレイ…も素敵だけど。
まずはその前に、仕事を済ませなければ。
大人しく手錠を嵌められ、項垂れた様子でルルシーの後ろをついていくリーダー…。
…の、手首を、俺はガッチリと掴んだ。
まさかいきなり捕獲されるとは思ってなかったのか、『M.T.S社』のリーダーはビクッと身体を震わせた。
…駄目ですよ。
そのくらいで怯えてちゃ。
「演技」…もっと上手くやらないと。
「ルレイア…?どうした?」
不審な行動をする俺に、怪訝そうな顔を向けるルルシー。
ルルシーは純粋で、心がピュアだから気づかなかったんだろう。
一方の俺は…いや、俺もピュアだけど…。
しかし俺は心が美し過ぎて、腹黒いことを考えている奴が分かるのだ。
結局俺もルルシーも、二人共ピュアってことで。
俺達の心が河だったら、きっとホタルとオオサンショウウオが住んでるに違いないですね。
いやぁ美しい。
…で、それはさておき。
俺の心はそれだけ美しいから、薄汚い浅知恵を巡らせて他人を騙そうとする…。
…あなたみたいな人間の考えは、お見通しなんですよね。
俺はリーダーを騙る女の腹に、思いっきり拳をめり込んだ。
ちょっと内臓が潰れたみたいな音がしたけど、多分平気。
俺が確認するまでもなく、膝を屈した敵構成員が、その女を見て口々に言った。
「り、リーダー…!」
「リーダー…」
リーダーだと?
「ルレイア…この女が…」
「リーダー…ってことですか」
この女がリーダー…。『M.T.S社』の…。
それにしてはどうも…。
「私が『M.T.S社』の首魁。投降します。部下の命を救ってください」
自称リーダーの女は、俺とルルシーに向かってそう言った。
随分と物分かりの良さそうなリーダーだ。
「よし…。武器を全て捨てろ。部下にも投降させるんだ」
ルルシーは、リーダーに拳銃を向けて指示した。
リーダーは素直に頷き、両手を上げたまま自分の部下に目をやった。
「武器を捨てて、降参するんだ。『青薔薇連合会』には敵わない。命だけでも…」
「…」
「…」
諦めきった声のリーダーの指示に、部下達は次々に武器を捨て、両手を上げた。
いや、リーダーが投降を呼びかけなくても、既に戦意喪失者は続出してたけど。
先程までの激戦は何処へやら、リーダーの指示一つで、あっという間に辺りは静まり返った。
…呆気ないものだ。
もう少し抵抗してくれても良かったのだが…。
…いや。
ともすれば…そう思わせるのが目的、とか?
「そこを動くなよ。全員だ」
ルルシーはそう言って、『M.T.S社』のリーダーに歩み寄り。
彼女の手に、きつく手錠をかけた。
…ルルシーに手錠をかけられるなんて…ちょっと羨ましいんですけど?
いや、むしろ俺は逆が良い。ルルシーに手錠を嵌められても良いけど、それより俺がルルシーに手錠を嵌めたい。
と、いう素敵な妄想に焦がれていると。
「…おい、おいルレイア」
「はい?」
「ボケッとしてないで、この女、早く連れて行くぞ」
「…あぁ、はい」
そうでしたね。
ルルシーと嬉し楽しいSMプレイ…も素敵だけど。
まずはその前に、仕事を済ませなければ。
大人しく手錠を嵌められ、項垂れた様子でルルシーの後ろをついていくリーダー…。
…の、手首を、俺はガッチリと掴んだ。
まさかいきなり捕獲されるとは思ってなかったのか、『M.T.S社』のリーダーはビクッと身体を震わせた。
…駄目ですよ。
そのくらいで怯えてちゃ。
「演技」…もっと上手くやらないと。
「ルレイア…?どうした?」
不審な行動をする俺に、怪訝そうな顔を向けるルルシー。
ルルシーは純粋で、心がピュアだから気づかなかったんだろう。
一方の俺は…いや、俺もピュアだけど…。
しかし俺は心が美し過ぎて、腹黒いことを考えている奴が分かるのだ。
結局俺もルルシーも、二人共ピュアってことで。
俺達の心が河だったら、きっとホタルとオオサンショウウオが住んでるに違いないですね。
いやぁ美しい。
…で、それはさておき。
俺の心はそれだけ美しいから、薄汚い浅知恵を巡らせて他人を騙そうとする…。
…あなたみたいな人間の考えは、お見通しなんですよね。
俺はリーダーを騙る女の腹に、思いっきり拳をめり込んだ。
ちょっと内臓が潰れたみたいな音がしたけど、多分平気。


