まーた始まったよ。
近頃呪文のように、こんなことばっかり唱えている。
「ケーキバイキングに行きたい」のときもあったし、「カラオケに行きたい」のときもあった。
あとは…「旅行に行きたい」とか、「『frontier』のライブに行きたい」とか。
『frontier』って知ってるか。オルタンスがお熱になってるアイドルだよ。
ボーカル?とやらがルレイアに似てるから、好きなんだってさ。
部屋にポスター貼ってるからな。直筆サイン入りの超デカい奴。
帝国騎士団の団長ともあろう者が、自分の部屋にアイドルのポスターを飾るな。
しかし、オルタンスは全く気にしない。
「海に行きたい」
オウムのように、こう繰り返すばかり。
あちこち色々なところに行きたい、と抜かすオルタンスだが、これには毎回条件がつく。
そう、「ルレイアと一緒に」という条件が。
行きたいなら勝手に行けよ、と思うが、ルレイアと一緒に…となると、そうはいかない。
オルタンスがいくら我儘を言おうと、ルレイアが承諾して、一緒に来てくれなければ意味がない。
こいつの場合、何処に行きたいって言うより…ルレイアと出かけたいんだろうな。
出かける先なんて、別に何処でも良いんだよ。
しかし、あのルレイアが、オルタンスの我儘に付き合ってくれるはずもなく(当たり前)。
オルタンスはこうして、虚しく自分の願望を口にするばかりなのだった。
まぁ、言うだけならタダだけどさ。
毎回毎回、そんな生産性のない我儘を聞かされる、俺達の身になってくれ。
俺もリーヴァもルーシッドも、「あぁ、また始まった…」みたいな顔をしていた。
「ルレイアと海に行きたい」
「…勝手にしろよ…」
「そしてルレイアの水着姿を拝みたい」
…気色悪っ…。
これが帝国騎士団団長の台詞か?
と思ったが、帝国騎士団副団長であり、ルレイアの実の姉であるルシェも。
オルタンスに同意せんばかりに、まんざらでもない顔をしていて。
帝国騎士団の未来が心配だよ、俺は。
まぁ、ルーシッドみたいなしっかりした若者がいるなら、大丈夫だとは思うが…。
「ルレイアは何を着ても似合うからな。水着姿になっても、きっと似合うに違いない」
「…あっそ…」
「だから、ルレイアと海に行きたい」
無理だと思うぞ。
あのルレイアが、お前の我儘に付き合うはずがない。
「…この際、プールでも良い」
ちょっと妥協してんじゃねぇよ。
海だろうがプールだろうが、ルレイアは断るに決まってる。
オルタンスの話なんて、まともに聞いてもくれないんじゃないか。
以前、一回…ハムスターランドだっけ?テーマパークに付き合ってくれたんだから、その思い出で満足しておけ。
「諦めろ。そして、馬鹿なこと言ってないでさっさと会議を始めるぞ」
「やっぱり無理だと思うか?」
「当たり前だろ」
「そうか…。…よし、それなら仕方ない」
お?
今日は珍しく、あっさり諦め…、
「ルーシッド。頼みがある」
オルタンスは至極真面目な顔で、ルーシッドに向き直った。
「は、はい?」
「ルレイアのような服を着て、ルレイアのような化粧をして、ルレイアの代わりに海に付き合ってくれ」
「…!?」
帝国騎士団長、ご乱心。
お前は、それで満足なのかよ。
そして、ルーシッドを巻き込むなと何度言ったら分かる。
近頃呪文のように、こんなことばっかり唱えている。
「ケーキバイキングに行きたい」のときもあったし、「カラオケに行きたい」のときもあった。
あとは…「旅行に行きたい」とか、「『frontier』のライブに行きたい」とか。
『frontier』って知ってるか。オルタンスがお熱になってるアイドルだよ。
ボーカル?とやらがルレイアに似てるから、好きなんだってさ。
部屋にポスター貼ってるからな。直筆サイン入りの超デカい奴。
帝国騎士団の団長ともあろう者が、自分の部屋にアイドルのポスターを飾るな。
しかし、オルタンスは全く気にしない。
「海に行きたい」
オウムのように、こう繰り返すばかり。
あちこち色々なところに行きたい、と抜かすオルタンスだが、これには毎回条件がつく。
そう、「ルレイアと一緒に」という条件が。
行きたいなら勝手に行けよ、と思うが、ルレイアと一緒に…となると、そうはいかない。
オルタンスがいくら我儘を言おうと、ルレイアが承諾して、一緒に来てくれなければ意味がない。
こいつの場合、何処に行きたいって言うより…ルレイアと出かけたいんだろうな。
出かける先なんて、別に何処でも良いんだよ。
しかし、あのルレイアが、オルタンスの我儘に付き合ってくれるはずもなく(当たり前)。
オルタンスはこうして、虚しく自分の願望を口にするばかりなのだった。
まぁ、言うだけならタダだけどさ。
毎回毎回、そんな生産性のない我儘を聞かされる、俺達の身になってくれ。
俺もリーヴァもルーシッドも、「あぁ、また始まった…」みたいな顔をしていた。
「ルレイアと海に行きたい」
「…勝手にしろよ…」
「そしてルレイアの水着姿を拝みたい」
…気色悪っ…。
これが帝国騎士団団長の台詞か?
と思ったが、帝国騎士団副団長であり、ルレイアの実の姉であるルシェも。
オルタンスに同意せんばかりに、まんざらでもない顔をしていて。
帝国騎士団の未来が心配だよ、俺は。
まぁ、ルーシッドみたいなしっかりした若者がいるなら、大丈夫だとは思うが…。
「ルレイアは何を着ても似合うからな。水着姿になっても、きっと似合うに違いない」
「…あっそ…」
「だから、ルレイアと海に行きたい」
無理だと思うぞ。
あのルレイアが、お前の我儘に付き合うはずがない。
「…この際、プールでも良い」
ちょっと妥協してんじゃねぇよ。
海だろうがプールだろうが、ルレイアは断るに決まってる。
オルタンスの話なんて、まともに聞いてもくれないんじゃないか。
以前、一回…ハムスターランドだっけ?テーマパークに付き合ってくれたんだから、その思い出で満足しておけ。
「諦めろ。そして、馬鹿なこと言ってないでさっさと会議を始めるぞ」
「やっぱり無理だと思うか?」
「当たり前だろ」
「そうか…。…よし、それなら仕方ない」
お?
今日は珍しく、あっさり諦め…、
「ルーシッド。頼みがある」
オルタンスは至極真面目な顔で、ルーシッドに向き直った。
「は、はい?」
「ルレイアのような服を着て、ルレイアのような化粧をして、ルレイアの代わりに海に付き合ってくれ」
「…!?」
帝国騎士団長、ご乱心。
お前は、それで満足なのかよ。
そして、ルーシッドを巻き込むなと何度言ったら分かる。


