The previous night of the world revolution7~P.D.~

…事態が動いたのは、その日の夜のことだった。




そのとき俺は、自宅には帰らず、『青薔薇連合会』の自分の部屋に泊まっていた。

近頃は毎日そうだ。

何か連絡があったとき、すぐに動けるように…。

それに、自宅でのんびりとくつろぐような気分にはなれなかった。

今ばかりは、夕食時にやって来ては晩飯をせがんでいたルレイアが恋しかった。

晩飯くらい、いくらでも作ってやるから…帰ってきて欲しかった。

元気な顔を見せて欲しかった。

それさえ叶うなら、何を投げ出しても良いとさえ思った。

「…ルレイア…」 

暗がりの中で、俺はその名前を呟いた。

…どうしてるんだ?お前は今。

俺が絶えずルレイアのことを思っているように、俺のことを思い出してくれているだろうか。

…思い出してくれなくても良いからさ。

元気で、早く戻ってきてくれ。

俺もそろそろ限界だ。

…そう思った、そのときだった。

俺のスマートフォンから、着信音が鳴り響いた。

「…何だ…?」

画面に標示されていたのは、全く見覚えのない電話番号。

…これは誰だ?

…分からないが。

俺は通話ボタンを押し、スマホを耳に当てた。

それは、驚くべき人物からの連絡であった。