――――――…ルシェ・エリザベート・ウィスタリア卿に、ルレイア・ティシェリー卿の説得を手伝ってもらおうと思い。

話を持ち掛けてみたものの、敢え無く玉砕。

それどころか、誰に説得を頼んでも応じないだろうとまで言われてしまった。

でも、私は諦めなかった。

きっと誰かの言葉が、彼の心に届くはず。

私達の声も聞こえない場所にいるなんて、そんなことは信じられない。

故に私達帝国自警団の面々は、ルレイア卿と交友のある人物に、虱潰しに声をかけて回った。

しかし。

説得を呼びかけた大半の人物が、ろくに話も聞いてくれなかった。

それどころか、半笑いでこう答える人もいた。

「あのルレイア・ティシェリーが『青薔薇連合会』をやめる?冗談はよしてくれ」と。

…冗談などではなかったのだが。

…そして。







「…では、協力してもらえないのですか?」

『はい。申し訳ないですが、協力には応じられません』

電話の向こうの人物は、言葉は丁寧だが、しかしきっぱりと私の誘いを断った。

…この人なら、ルレイア・ティシェリー卿に意見出来ると思ったのだが。

そう思って、わざわざ…箱庭帝国に連絡をつけたというのに。

電話の向こうの人物…『青薔薇委員会』委員長、ルアリス・ドール・エーレンフェルトに。