青薔薇…連合会。
無論私とて、その名前は知っている。
『青薔薇連合会』と言えば、ルティス帝国裏社会を牛耳る非合法組織だ。
それは分かっている。
…でも…。
「『青薔薇連合会』がどうしたの…?」
確かに非合法組織の存在は、ルティス帝国にとってマイナスだけれど。
私が生まれるよりずっと前から、彼らはルティス帝国の裏社会で暗躍していたはず。
彼らは裏社会の組織であり、表社会にはほとんど関係はないはず。
何故『青薔薇連合会』の存在が、帝国自警団の人員を減らすことに繋がるのだろう。
…すると。
「『青薔薇連合会』は裏社会の組織だから、表社会で名前を聞くことはほとんどないよ。だから、ブロテも知らなかったんだろうけど…」
「今の『青薔薇連合会』は、ブロテがルティス帝国にいた頃より、ずっと勢力を拡大してる。10年前とは比べ物にならないよ」
「その影響力は…そうだな、裏社会の帝国騎士団と言っても良いくらいだよ」
仲間達が順番に、そう説明してくれた。
裏社会の帝国騎士団、なんて…。
そんなの初めて聞いた。
まさか、『青薔薇連合会』がそんなに勢力を拡大させていたとは…。
アシスファルト帝国にいたときも、ネットニュースでルティス帝国の情勢を確認していたとはいえ。
さすがに、非合法組織の詳細なニュースについては、ネットニュースにも掲載されない。
だから、私も知らなかったのだ。
…だけど…。
ユナ達がここまで言うってことは、私の予想以上に、『青薔薇連合会』はルティス帝国で幅を利かせているようだ。
たかが非合法組織が…。
「でも…それがどうして、自警団の脱退希望者が増えることに繋がるの?」
『青薔薇連合会』が勢力を拡大している。だから何?
それと自警団と、何の関係があるの?
するとユナ達は、何と言ったら分からない、みたいな顔で私を見つめた。
その顔は何…。
「…自警団をやめていく人はね、皆口を揃えて言うの。『自警団にいても無駄だ』って。『自警団の意味がない』って」
マリアーネがそう言った。
「どうして無駄なの?何で意味がないの?」
私にとって帝国自警団は、第二の故郷も同然だ。
そんな風に言われると、さすがに落ち込むよ。私だって。
「それは…だって、自警団は…『青薔薇連合会』も、帝国騎士団も…ベルガモット王家だって…止めることが出来なかったから」
ユナは視線を彷徨わせながら、重い口を開いた。
…ますます、事情が分からないよ。
「自警団は無力だって…。帝国騎士団とは違う立場から、この国を正しい方向に導くのが、帝国自警団の存在意義なのに…。私達が何も出来なかったから…」
「帝国自警団に存在する理由なんてないってことで、失望した団員が次々と…」
「…」
自警団が、無力。失望。
そのせいで…次々と脱退希望者が続出していると。
…それは戴けないな。
私の大事な自警団を…無力だと思われることも、失望されることも。
何があったのかは分からないけど…。
どうやら私は、悠長に感慨に耽っている余裕はないようだね。
詳しい話は明日以降に…なんて思ってたけど、あれは無しだ。
すぐにでも仲間から話を聞いて、それなりの対策を立てなければ。
私がいない間に、いつの間にか帝国自警団が存亡の危機を迎えているとは…。
無論私とて、その名前は知っている。
『青薔薇連合会』と言えば、ルティス帝国裏社会を牛耳る非合法組織だ。
それは分かっている。
…でも…。
「『青薔薇連合会』がどうしたの…?」
確かに非合法組織の存在は、ルティス帝国にとってマイナスだけれど。
私が生まれるよりずっと前から、彼らはルティス帝国の裏社会で暗躍していたはず。
彼らは裏社会の組織であり、表社会にはほとんど関係はないはず。
何故『青薔薇連合会』の存在が、帝国自警団の人員を減らすことに繋がるのだろう。
…すると。
「『青薔薇連合会』は裏社会の組織だから、表社会で名前を聞くことはほとんどないよ。だから、ブロテも知らなかったんだろうけど…」
「今の『青薔薇連合会』は、ブロテがルティス帝国にいた頃より、ずっと勢力を拡大してる。10年前とは比べ物にならないよ」
「その影響力は…そうだな、裏社会の帝国騎士団と言っても良いくらいだよ」
仲間達が順番に、そう説明してくれた。
裏社会の帝国騎士団、なんて…。
そんなの初めて聞いた。
まさか、『青薔薇連合会』がそんなに勢力を拡大させていたとは…。
アシスファルト帝国にいたときも、ネットニュースでルティス帝国の情勢を確認していたとはいえ。
さすがに、非合法組織の詳細なニュースについては、ネットニュースにも掲載されない。
だから、私も知らなかったのだ。
…だけど…。
ユナ達がここまで言うってことは、私の予想以上に、『青薔薇連合会』はルティス帝国で幅を利かせているようだ。
たかが非合法組織が…。
「でも…それがどうして、自警団の脱退希望者が増えることに繋がるの?」
『青薔薇連合会』が勢力を拡大している。だから何?
それと自警団と、何の関係があるの?
するとユナ達は、何と言ったら分からない、みたいな顔で私を見つめた。
その顔は何…。
「…自警団をやめていく人はね、皆口を揃えて言うの。『自警団にいても無駄だ』って。『自警団の意味がない』って」
マリアーネがそう言った。
「どうして無駄なの?何で意味がないの?」
私にとって帝国自警団は、第二の故郷も同然だ。
そんな風に言われると、さすがに落ち込むよ。私だって。
「それは…だって、自警団は…『青薔薇連合会』も、帝国騎士団も…ベルガモット王家だって…止めることが出来なかったから」
ユナは視線を彷徨わせながら、重い口を開いた。
…ますます、事情が分からないよ。
「自警団は無力だって…。帝国騎士団とは違う立場から、この国を正しい方向に導くのが、帝国自警団の存在意義なのに…。私達が何も出来なかったから…」
「帝国自警団に存在する理由なんてないってことで、失望した団員が次々と…」
「…」
自警団が、無力。失望。
そのせいで…次々と脱退希望者が続出していると。
…それは戴けないな。
私の大事な自警団を…無力だと思われることも、失望されることも。
何があったのかは分からないけど…。
どうやら私は、悠長に感慨に耽っている余裕はないようだね。
詳しい話は明日以降に…なんて思ってたけど、あれは無しだ。
すぐにでも仲間から話を聞いて、それなりの対策を立てなければ。
私がいない間に、いつの間にか帝国自警団が存亡の危機を迎えているとは…。


