The previous night of the world revolution7~P.D.~

ルレイア…あの子のことを、私ならよく知っていると思って。

…それは買い被りだ。

私は何も知らなかった。知った気になっていただけで、その実何も知らなかった。

知らなかったが故に、あのような悲劇が起きてしまったのだ。

私にとっては、思い出したくない記憶だった。

「そして、彼の本名を聞いて…彼があなたの弟であることを知りました」

「…そうか」

「実の弟なんですよね?腹違いではなく」

「あぁ、実の弟だ」

少なくとも…血の繋がりの上ではな。

…だが。

「ルレイアのことを、私に聞こうと思っても無駄だぞ」

私は、ブロテが望んでいるであろう情報は何も知らない。

何せ私は、ルレイアのことも…ルシファーのことも、「何も知らなかった」のだから。

あの子が心の中で何を抱え、何を思い、何と戦ってきたのか。

私は何も知らなかった。

そんな私に、今更あの子のことを知った気になって喋る資格はない。

ルレイアについて聞きたいなら、あの子の今のパートナー…ルルシー・エンタルーシアが一番の適役だろう。

彼は少なくとも、私より遥かにルレイアのことをよく知っているから。

ルレイアから、一番の信頼を得るほどに。

今の私にとっては、羨ましい限りだ。